野村克也氏、矢野監督に期待も試合中のバンザイNG

<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-7西武>◇23日◇甲子園

球界のご意見番から愛情あふれるメッセージだ。阪神、楽天などで監督を務めた野村克也氏(83)が23日、テレビ番組の取材で「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦(甲子園)を観戦した。

矢野燿大監督(50)にとって恩師の1人である同氏は優勝を狙えると断言。その一方で、ノムさん流の毒ガスも忘れなかった。チームは3連勝を逃したが、交流戦を終えてリーグ3位と好位置。ペナントレース再開から再上昇を狙う。

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久しぶりの甲子園でノムさんのボヤキ節がさく裂した。かつてのわが家に帰ってきた野村氏は、「甲子園というのは俺の野球人生、大失敗だから」と、いきなりの自虐ネタで笑わせた。99年からの3年間、暗黒時代のタテジマを率いた元指揮官は「お前らにつぶされたよ」と取り囲む報道陣をジロリ。「俺は人気にあんまり縁がないから。阪神の監督になったときはファンとマスコミ。これに参った。対応の仕方がわかんない。慣れてないから」と、自嘲気味に笑った。

訪問の目的は愛弟子との再会だった。TBSテレビのスポーツ情報番組「S1」の収録で対談。試合前に甲子園の一塁側に陣取った同氏は、矢野監督とガッチリ握手を交わした。監督就任決定の際には直接、あいさつを受けるなど義理堅さにも感激。「元気そうで良かったよ」とニコニコ。しかし恒例の? 毒ガス噴射を忘れなかった。

試合中に矢野監督は大きなアクションで喜びを表現。「矢野ガッツ」として先日グッズも発売されるほど話題だ。ただ、同氏は「大反対! 勝ってバンザイせい! ゲームセット、勝った、バンザイ! それならオッケー。試合中にバンザイをする監督はろくな監督いない。大監督になれない。俺は喜んでいられない。うれしいのは分かるけど、試合が終わるまで我慢しないと」とバッサリ。本気とも冗談とも取れない口ぶりだが、愛情たっぷりでアドバイスした。

もっとも矢野阪神には大きな期待を寄せているようで就任1年目からのリーグ優勝もあり得ると予想。「巨人がああいうチームだからチャンスはいくらでもある」と断言した。矢野監督についても「彼は中日にいたからね。名古屋も地元意識が強いから。そりゃ大丈夫。マスコミにつぶされることはない」と人気球団の監督としての素質があると期待。交流戦最終戦に敗れたが、勝負の夏を迎えるチームにとって、心強い言葉だった。【桝井聡】

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  • 試合前、野村氏(左)が甲子園球場を訪れあいさつする矢野監督(撮影・上山淳一)