交流戦Vのソフトバンクは28日からのリーグ戦再開で首位固めに入る。日刊スポーツ評論家、浜名千広氏(49)は、今後のペナントレースのカギについて「先発プラス1人」「二遊間の起用」を挙げた。

交流戦で中継ぎ陣の整備はできた一方で、ローテーションを任せられる先発がもう1人必要で、加えて優勝するための条件である「二遊間」をどう起用していくかが大事だと説いた。【取材・構成=浦田由紀夫】

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巨人との最終決戦を見事に制して、ソフトバンクが交流戦優勝を果たした。交流戦突入時点では、投打ともにレギュラーが固定できず、浜名氏は勝ちパターンの確立が急務だと説いていた。交流戦を戦う中で、「中継ぎ陣」の整備は一定の成果を挙げたと評価する。

浜名氏 交流戦前までは勝ち試合で、なかなか登板させられなかった高橋純や椎野が「勝利の方程式」のなかに入ってこれたのは大きい。新守護神の甲斐野とモイネロは安定しているが、その他が出てこなかった。武田の先発から中継ぎへの転向も当たった。中継ぎ陣が少々余裕を持ちながら登板できる環境が整った。

リーグ戦が再開され、楽天、日本ハム、西武との首位争いが激化する。その上で、ソフトバンクのカギとなるのは何か。

浜名氏 交流戦は先発、中継ぎともに質が上がった結果だと思う。ただ、和田、松本らはまだまだローテーションをしっかり任せられる存在ではない。和田は球数の問題もあり、休ませないといけないことになるだろうし、千賀、高橋礼、大竹に続く4人目の安定した先発投手の登場が不可欠だ。

さらに攻撃陣に目を向けると、故障者続出の流れは止められず、今宮離脱に伴い二遊間が固定できない状況になっている。

浜名氏 日替わりの二遊間になるだろう。どう組み合わせていくか。福田が二塁を守ったが、一番重要な併殺プレーには不安が残る。ピンチを救う併殺を奪う力は守備のなかで重要だし、ホークスが過去優勝した時はこの守備力が高かった。接戦が予想される中、ここ一番の守備力で泣くことにならないことを祈る。