西武が誇る山賊打線が、論理と直感で初対戦のオリックス榊原をなぎ倒した。

まずはロジックで打ち砕いた。初回、先頭秋山の思考はクリアだった。相手は10試合連続クオリティースタート(6回自責3以内)の難敵。2球続けて大きく外れるボール球でカウント2-0。「相手は立ち上がりで四球を出したくない。一番ストライクを取れる球はストレート」。相手の心を読み切った。ど真ん中に来た141キロ直球を「狙って打ちましたから」と捉え、右前へとはじき返した。

計算通りに食らいつくと、2番源田は頭を空っぽにした。わずか2球で追い込まれるも「普通は追い込まれるといろいろ考えるんですけど、初対戦だったんで。打てそうなところに来たら振りにいこうと思った」と力みを捨てた。3球目。ど真ん中に来たスライダーを逃さなかった。右中間を真っ二つに破る適時三塁打で先制点を挙げた。秋山と源田でわずか6球。鮮やかな速攻が決まった。

2人の山賊で突破口を開くと、後は点を奪うだけ。右腕を5回限りで引きずり降ろした。終わってみれば先発全員安打の16安打7得点。秋山は初物攻略に「交流戦をやってきてますから」と涼しげ。経験と場数の多さが山賊打線を強くする。【島根純】