DeNAが今季4度目のサヨナラ勝ちを決めた。1-1で迎えた延長10回2死満塁、5番宮崎敏郎内野手(30)が中前に適時打を放った。5月下旬から猛烈な勢いで白星を重ね、これで最大11あった借金は1。今日30日にも4月19日以来の勝率5割に復帰する。

打球が舞い上がると、DeNAベンチのボルテージは一気に最高潮に達した。1-1で迎えた延長10回2死満塁。宮崎は「みんながつないでくれた。ファーストストライクから、いこうと思っていた。何とか落ちてくれ」と行方を見つめた。中堅と二塁の間に白球が落ちるやいなや、飛び出してきたナインからもみくちゃにされた。今季4度目のサヨナラ勝ちに、ラミレス監督は「すばらしい勝利」。4月に10連敗を喫し、5月にも5連敗。最大「11」まで膨らんだ借金は、ついに「1」となった。

ラミレス監督 この時期に、この勝率と成績は考えていなかった。そういう意味でまだ後れを取っている。ただ、シーズン序盤を考えたら、よくここまで耐えた。

苦しい時期でも大胆な采配を貫いてきた。28日にスタメン起用し、2安打と期待に応えた楠本を、同じ左の佐野にスイッチ。「考え方によっては今日も楠本でいいかもしれないが、その時の数字やデータを加味して」と思い切りがいい。

エスコバー、パットンと勝利の方程式でつないだ延長10回の場面では、守護神の山崎ではなく、石田を投入。「感覚的に(山崎)ヤスより、石田」と直感も大事にする。1死一、二塁となると、代打の切り札長野に対し、4月に161キロをマークした右の国吉へチェンジ。「長野は左に強い。国吉はいい風に荒れている」。試合の流れを読み、データと感覚を巧みに使い分けている。

30日にも勝率5割が見えてきた。ラミレス監督は「まだ借金1。つまりBクラス。Bクラスのチーム」とおごらない。大胆かつ緻密な采配で、まずはAクラスへ1歩ずつ押し上げる。【栗田尚樹】

▼DeNAが今季4度目のサヨナラ勝ち。6月に入ってからは3度目で、月間3度のサヨナラ勝ちは球団では17年8月(4度)以来2年ぶり。また宮崎のサヨナラ打は17年9月6日ヤクルト戦でのサヨナラ弾以来、通算3本目。