熱パは俺らが盛り上げる。ロッテが首位ソフトバンク相手に今季2度目のカード3連勝を決めた。

3戦目を任された種市篤暉投手(20)が自己最長の8回を投げ4安打2失点。チームトップの7勝目を挙げた。これでソフトバンクとの対戦成績15勝6敗。27日から1ゲーム差の3位の楽天との3連戦が控える。首位をたたいた勢いで、5月21日以来のAクラス復帰を目指す。

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種市は8回2死一塁、上林を中飛に打ちとるとグラブをたたきベンチへ下がった。「8回は行きたいと思っていた。1人でもリリーフを休ませようとマウンドに上がったので仕事ができたと思います」。表情からは充実感が漂った。

2回以降は5四球を与えるなど、毎回走者を背負った。だが、走者を出すとスイッチが入る。グラシアル、柳田、松田宣と、その都度ソフトバンク打線の中心打者を併殺打に仕留めピンチをしのいだ。

中でも連続四球と捕逸で無死二、三塁とした7回。この日一番の気持ちが入った。グラシアルを145キロの直球で三振。続く中村晃の内野ゴロで1点を返されたが、この日最速にあと1キロと迫る149キロを投じるなど気迫の投球。「いらない点を与えてしまった。ヒットを打たれてないのに点を取られてしまって悔しい」と振り返ったが最少失点でしのいだ。

今カード初戦の23日に登板した、ソフトバンク千賀の姿に刺激を受けた。オフに自主トレをともに行った間柄。千賀は2回に失った1点以降、得点を許さなかったが、8回に1発を浴びて降板。調子がよくない中でも8回途中まで投げた姿に「さすがだなと。責任持って投げるからこそ勝ち負けがつくと思う。(自分も)勝ち越してもらえるまで、投げられるようにしたい」と心に誓った。願いは通じ、同点に追いつかれた直後の7回に勝ち越した。

昨季まで未勝利の右腕だった姿はもうどこにもない。今季途中には吉井投手コーチと話し合い、100イニング投げることを目標に定めた。「最初中継ぎで、先発もとばしとばしで先発回数も少ないですけど、そこは超えたい」。この日の力投で現在の投球回は90回1/3。目標もすぐそこだ。

「Aクラスではなく1位を目指してやっていきたい。個人の成績も上げられるように頑張っていきます」。ロッテお得意の下克上はもう既に始まっている。【久永壮真】