日本の4番は俺だ! 侍ジャパンの鈴木誠也外野手(25)が25日、4番初アーチとなる2ランを放った。11月開催の「プレミア12」へ向けた侍ジャパン宮崎合宿初陣となる練習試合(サンマリン宮崎)で、フェニックス・リーグ参戦中の日本ハムと対戦。4番右翼でスタメン出場すると、1本塁打を含む3打数2安打2打点と主砲の貫禄を示した。26日のオリックス戦(同)にも4番での出場が決定。打棒でチームをけん引する。

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「日本の4番」が貫禄をみせつけた。5点リードの7回2死二塁で迎えた第4打席。鈴木は1ボールからの2球目、日本ハム18年ドラフト1位吉田輝の139キロ直球を豪快に振り抜いた。打球は風にも乗って高々と舞い上がり、左翼ポール際に飛び込んだ。ダメ押しの2ラン。「あれは風でたまたまです」と、アシストを認めながらも「自分のスイングができてよかった」と手応えを口にした。

9月27日の中日戦以来、1カ月ぶりの実戦でもおかまいなしだ。「実戦から離れていたので、強い真っすぐを振っていきたいと思っていた。ボールを見極められていた」。4回は先頭で左前打を放ち、吉田正の先制適時二塁打につなげた。吉田正が「『セーヤ』。『マサさん』。恋人みたいですよね」と明かす相思相愛コンビが、初実戦で本領を発揮した。

侍の主砲を任されても、慢心は一切ない。代表合宿中に行われた特打には3日間全てに参加し、黙々とバットを振り込む。「もちろん体の状態もあるんですけど、できる時はしっかりやっていきたい」。この日は3打数2安打2打点。背中で、結果で、チームをけん引してみせた。

主砲の1発に稲葉監督も「打撃練習からいいバッティングをしていた。しっかり結果を残すという。さすがですね」と目を細めた。26日のオリックス戦ではクリーンアップ改造を示唆していたが「4番の誠也は変えない」と明言。4番の役割について鈴木は「周りにたくさん良い打者がいる。何でもいいので、塁に出られたらいいと思います」という。侍の主軸として、不動の4番がどっしり構える。【古財稜明】