夢はでっかく捕手で首位打者! 広島育成ドラフト1位の旭川大高・持丸泰輝捕手(18)が29日、旭川市内の同校で指名あいさつを受けた。

近藤芳久スカウト(54)から「打てる捕手になり、広島の次代を担って欲しい」と期待された持丸は「勝負強い打撃で、首位打者を取れるような選手になりたい」と宣言。育成から支配下登録にはい上がり、捕手では今季の西武森ら4人しかいない偉業を大目標に掲げた。

   ◇   ◇   ◇

あえて大きな目標を立て、自身を奮い立たせた。捕手の首位打者は過去、南海野村、ヤクルト古田、巨人阿部、西武森と球界を代表する選手だけが成しえた偉業。だが、厳しい勝負の世界へ臨むのに遠慮はいらない。持丸は「より高いところを目指さないと。しっかり練習して支配下に上がり、1日でも早く1軍でプレーしたい」と意気込んだ。

柔軟性あるリストがプロの心をつかんだ。食事も字を書くのも左利き。幼少期に父知己さん(48)とキャッチボールするうちに送球だけ右利きになった。持丸自身「両手を自然と使えるようになれたのは大きい。父のおかげ」と言う。均等かつ屈強な手首を生かし、今夏甲子園でヤクルト1位の星稜奥川から9回に会心の当たりを放った。浜風に戻され右飛となったが、近藤スカウトは「奥川君の球を完璧にとらえていた。1番インパクトがあった。いいリストを持っている」と指名理由に挙げた。

広島は16年4位で坂倉、17年1位で中村奨ら高卒捕手を連続指名。近藤スカウトは「打てる捕手に。中村、坂倉との競争に、いち早く入れるようレベルアップして欲しい。そのポテンシャルは十分にある」と期待した。育成とはいえ、次代の正捕手候補として、質の高いバトルに挑んでいく。

北海道関連選手で広島からの指名は72年2位の大昭和製紙北海道・松林茂投手以来47年ぶり。松林は山口出身のため、道産子は持丸が初となる。「広島の赤い帽子は旭川大高のエンジに似ていてなじみやすい。高校で学んだ真摯(しんし)な姿勢を貫き、勝負強い打者になりたい」。真っ赤なスタンドをわかすスター捕手となって、北海道のファン拡大にも尽力する。【永野高輔】

◆育成選手 支配下登録を目指し、技術向上など野球活動を行う。原則として支配下選手が65人以上いない球団は保有できない。最低年俸230万円。オープン戦や2軍戦に出場でき、支配下選手に移行すれば1軍出場可能。育成ドラフト入団では山口鉄也、松本哲也(ともに巨人)が新人王に輝き、現役では千賀滉大、甲斐拓也(ともにソフトバンク)らが活躍中

◆持丸泰輝(もちまる・たいき)2001年(平13)10月26日、旭川市生まれ。旭川西小2年時に永山西クラブで野球を初め、旭川永山中では軟式で4番投手。旭川大高1年春からベンチ入りし、甲子園は昨夏の佐久長聖との1回戦4番左翼で4打数1安打、今夏の星稜戦は2番捕手で奥川から1安打。好きな選手は元ヤンキース松井秀喜氏、捕手はソフトバンク甲斐拓也。家族は両親と姉妹。178センチ、76キロ。右投げ左打ち。