楽天三木肇監督(42)が就任後初実戦で“三木流”野球を実行した。

イニングごとにベンチを移り、両チームを指揮した。3回裏、白組の攻撃。8番岩見が四球で出塁。続く9番村林の打席で指揮官が塩川三塁コーチへサインを送った。1ボールからの2球目、一塁走者の岩見がスタート。村林はバスターを仕掛け、バントシフトで前に出てきた三塁手を強襲する左翼線への二塁打を放ち、二、三塁と好機をつくった。1番辰己が四球で満塁。2番山崎の右中間を破る走者一掃の3点適時三塁打で先制し、3番岡島がきっちりと中犠飛。2安打2四球で4点を奪い取った。

今キャンプ中、三木監督がケース打撃などでチームへ徹底してきた「1点を奪い取る野球」を実戦でも成功させた。「練習でやったことを実戦でやってみることで、いろんなメッセージを送れると思う。いい攻撃だったと思います」と手応えを示した。

ただ、サイン間違いなどのミスも起こった。「野球はそんなに簡単なことじゃないと分かっている。実戦で出た課題をクリアしていきたい」と5日からの第2クールへの道筋も見えてきた。

試合中にはベンチから拡声器を使い、守備側の意識やポジション取りなどを場面ごとに伝えた。「細かくなりすぎないように、と思いつつ、こういったことがまたできればいいと思う」。自身が目指す「1点を守り、1点をもぎ取る」野球を体現するために試行錯誤を続ける。