藤浪がドライブライントレ、きっかけはダルビッシュ

まだ少し冷たい風が吹く沖縄に、阪神藤浪晋太郎投手(25)の姿があった。ブルペンで上半身裸になり、黒いマーカーが次々に貼られていく。頭から手足、スパイクやグラブまで合計48個。さらに10個のセンサーに囲まれた。モーションキャプチャーによる細かな動作解析だ。続いて隣のマウンドに移り、リリース時の動きやスピン量などを計測。球速は153キロを記録した。

「コントロールをしっかりつけて。動作解析してもらえるので、自分の動作の弱点を知って、何が出来てないからコントロールが出来ないのか、というところをしっかり知りたいなと」。

米国の最先端テクノロジーで自らを丸裸にし、大きな課題である制球難克服に動いた。

12月9日から5日間、ジムのBCプロジェクトが主催する「ドライブライン・ベースボール」のセミナーに中日藤嶋らと参加している。米シアトルから来日した専門家がデータや動作解析を行い、個々にあったフォームやトレーニングを見つける取り組み。初日は座学、2日目の10日は選手それぞれの動作解析を行った。3日目以降は、その結果を元にしたトレーニングに取り組む予定だ。

「ドライブライン」は、大リーグで5年連続2ケタ勝利を挙げたレッズのトレバー・バウアー投手(28)が取り入れていることで話題になった。トレバーを指導するトシュ・セムラッカーさん(27)も今回来日。藤浪について「今の状態はすごくいい。何も問題なく投げていた。彼もここに何か成し遂げたい気持ちを持って来たと思う。いい方向に行くことは間違いない」と課題克服に太鼓判を押した。

「今日のフィードバックも明日、上がってくるので楽しみですし、せっかく来ているのでいろいろ質問していろいろ勉強して、帰りたいなと思います」と藤浪は前向きに話した。今季はプロ初の未勝利という屈辱を味わった。ゼロから再出発。復活への根拠をつかむ5日間にする。【磯綾乃】

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○…「ドライブライン」参加のきっかけはカブスのダルビッシュだった。「もともとダルビッシュさんと自主トレさせてもらった時に、ダルビッシュさんがちょっと重たいボールとかを使ってトレーニングをされていて、知っていて」。今年の初めに「これ面白いから使ってみたら?」とドライブラインで使うボールを送られ、シーズン中に取り組んでいたという。この日は、重さや大きさが違う13種類のボールで実施するトレーニングを試した。

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◆ドライブラインとは シアトルにあるデータ分析を駆使した最先端野球トレーニング施設。ハイスピードカメラ、ボールの軌道やスピード計測器などを使って選手のトレーニングを記録し、データに基づき能力アップを図る独自のプログラムを持つ。有名なのは通常の野球ボールよりも重い「ウェイテッドボール」を投げるトレーニング法で、球速アップが見込める。メジャーではレッズの先発右腕バウアーら多くの選手が施設を利用しており、最近ではメジャーの球団が同施設からスタッフをコーチとして招聘(しょうへい)するケースも出てきた。

その他の写真

  • ドライブライン・ベースボールの測定用マーカーを体に取り付け、動作解析を行う阪神藤浪(撮影・前田充)
  • ドライブライン・ベースボールの測定用マーカーを体に取り付け、動作解析を行う阪神藤浪(撮影・前田充)