殻を破るために、尊敬する日米通算135勝左腕に弟子入りする。日本ハム斎藤佑樹投手(31)が早大の先輩、ソフトバンク和田毅投手(38)と年明けに長崎で合同自主トレを行うことが24日、分かった。

近年は単独もしくはチームの後輩と自主トレすることが多かったが、変革を決意。不本意な成績からの脱却を目指す勝負の10年目へ向けて、球界屈指の理論派サウスポーの懐に飛び込み、飛躍の極意をつかむ。

  ◇    ◇    ◇

斎藤が“和田塾”に入門する。来年1月7日から、早大の8学年上にあたるソフトバンク和田と長崎で合同自主トレを行うことが判明した。プロ入り時から「あこがれの人だった」という先輩との共演が、関係者の協力を得て実現。これまでも1日限定などの単発では、今季限りで現役引退したイチロー氏と汗を流したことはあるが、今回は1週間のスケジュールで、斎藤にとっては過去に例のない“出稽古”となる。

再起を期す10年目へ向けて、貴重な時間となりそうだ。和田の自主トレはハードメニューで知られる。ランニングが中心で徹底的に肉体を追い込む。第一線で走り続ける先輩の土台作りに触れることは、斎藤にとっても有意義なコラボレーションとなる。

また、和田は動作解析をして好パフォーマンスにつなげるなど、球界屈指の理論派としても知られる。斎藤は今オフの取り組みとして「体全体を使って投げられるように」と目標を掲げている。理想を体現するための具体的なヒントを得られる可能性も十分だ。

今月2日の契約更改時に、「ある程度は決まっていますけど、まだ具体的には決まっていません」と話していた自主トレプランの目玉が、固まった。右肩を痛めた2年目オフ以降は不本意なシーズンが続いてきただけに、「10年目をいい形で終えられるようなシーズンにしたい」との思いは強い。頼もしい先輩から、浮上のノウハウを学ぶ。

<日本ハムの過去の「同門トレ」>

★中田翔(大阪桐蔭) 1年目のオフから西岡剛に弟子入り。西岡がメジャーに在籍していた期間も継続して行われ、昨オフまで続いている。当初は、都内や大阪市内で実施されていたが、14年1月からは米ハワイを拠点にした。

★堀瑞輝(広島新庄) 2年目を終えた昨オフに、3学年先輩の巨人田口と米ハワイで合同トレーニングした。現地では菅野、坂本らG戦士と交流する機会もあった。

★鍵谷陽平(中大=現巨人) 今ではチームメートの巨人沢村と、日本ハム在籍時の16年1月に米ハワイトレが実現。同年12月~17年1月にかけては“年越し自主トレ”で汗を流した。