久米島の空の下でととのう。「サ道」を極める“サウナー”楽天森原康平投手(28)がキャンプ第1クール最終日の4日、新守護神定着&東京オリンピック(五輪)出場を熱望した。先発に再転向する松井に次ぐ64試合に登板した昨季は、チームトップの29ホールドをマーク。「抑えを狙いたい。五輪もチャンスがあればいきたい」と言い切った。

マンガ「サ道」との出会いでサウナ好きに拍車が掛かった。自主トレで師事したメジャーでのトレーナー経験を持つ、リアル「蒸しZ」の高島誠氏から練習初日に渡された。昼休憩でも、原田泰造主演のドラマ版を視聴。休養日に実践し「どんな悩みも解決するんじゃないかと洗脳されました(笑い)」。サウナ10分→水風呂→外気浴が本家の教えだが「僕はなかなか汗が出ないので」と外気浴後に風呂を挟む。これを3セット。「本当にととのったっす」と最高のリラックス状態、いや「サウナトランス」に入れる。

好投を「偶然、偶然」と言わせないために、コンディション管理を徹底する。1年間戦い抜いたのは昨季が初めて。「どうやったら1年間戦えるのかを考えた」と自主トレ先で状態維持を狙ったトレーニング方法も学んだ。シーズン中はサウナと併用し、心も体もととのえる。

この日は2度目のブルペンで直球のみを40球。熱気あふれる同僚を横目に、じわっと汗をかいた。「自分のやるべきことに集中して、マイペースにやっていきたい」。信じた道を歩めれば、勝利への道筋がととのったぁ~。【桑原幹久】

◆サ道 タナカカツキのサウナを題材にしたマンガで15、19年に講談社のマンガ雑誌「モーニング」に連載。19年7月からテレビ東京でドラマ化。伝説のサウナー「蒸しZ」を追って全国を旅する主人公ナカタアツロウ、「偶然、偶然!」が口ぐせの中年サラリーマンの偶然さん、コンサル会社経営のイケメン蒸し男がレギュラーメンバー。サウナ→水風呂→休憩を繰り返すことで得られる多幸感、一種のトランス状態を「ととのう」という。