阪神の1軍戦と2軍戦でアクシデントが発生した。藤川球児投手(39)が3日、広島との練習試合(甲子園)で腰の張りを訴えて緊急降板。ソフトバンク2軍との練習試合(鳴尾浜)では、藤浪晋太郎投手(26)が右胸の張りを訴えて緊急降板した。どちらも大事をとっての措置としたが、2日の練習試合広島戦(甲子園)で右膝付近に死球を受けた糸原健斗内野手(27)も欠場。6月19日の開幕に向け不安材料が発生した。

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藤浪のマウンドが突然、慌ただしくなった。8回無死二塁。川瀬に3球目を投げ込んだ直後、捕手の長坂が藤浪の元へ駆け寄った。いったん戻るも、すぐに再び香田2軍投手コーチとマウンドへ。1度は続投となったが、川瀬に四球を与えたところで、平田2軍監督が投手交代を告げた。

試合後、藤浪が右胸の張りを訴えて降板したことが発表された。平田2軍監督は、藤浪の強い希望で1度続投させたことを明かした。「本人は『行けます。もう1人行かせてください』と本人は言っていた。多分検査には行くと思う。せっかく順調に、ブルペンでも良かったし、感触は1イニング目も良かったんでね」。緊急降板を残念がった。

藤浪にとって3月18日のオリックスとの練習試合(オセアンBS)以来の実戦登板だった。6回にマウンドに上がると、力ある直球で3つの三振を奪い、最速154キロを計測した。しかし7回から直球の球速は140キロ台にガタッと落ち、変化球の制球にも苦しんだ。連続で適時二塁打を浴びる場面もあり、3回途中4安打3四球3失点の結果が残った。

5月28日の1軍集合練習に遅刻。矢野監督と話し合いを持ったが、練習参加は認められず。同29日から2軍に降格していた。再起を期したマウンドで無念のアクシデント降板となった。新型コロナウイルス感染から回復し、野球で恩返しを誓ってきたが、より苦しい状況に追い込まれた。【磯綾乃】