3発目は火の玉アーチや! 阪神の新助っ人ジャスティン・ボーア内野手(32)が弾丸ライナーで3試合連続本塁打を放った。広島との練習試合(甲子園)に「4番DH」で先発。3回に先発薮田の内角高め147キロ直球を捉え、追加点となる2ランを右翼ポールにぶち当てた。2日の来日1号から完全に目覚め、「かめはめ波」のパフォーマンスも披露。主砲が驚異の破壊力を見せ、矢野阪神が広島に同一カード3連勝を飾った。

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火の玉のような打球が、右翼ポールに直撃した。あまりの打球速度に審判の目も追いつけず、はね返ったボールがグラウンド内に転がったためプレーは続行。二塁で止まったボーアは審判団の協議の結果、本塁に生還した。「ファウルになるかと思ったけど、ポールに当たって良かったよ。とてもいいスイングができたね」。2日の来日1号から3戦連続でアーチをかけた。

2点リードの3回無死一塁。広島先発薮田の内角高め147キロを振り抜いて追加点となる2ラン。「ホームランを狙っているわけではないよ。いつもいいスイングやコンタクトした時、結果的にホームランになっている。それを意識しています」。本塁帰還後はお気に入りの「かめはめ波」ポーズを矢野監督やチームメートに連発。「ホームランやツーベースを打ったとき、『ファイアボール』というパフォーマンスを自分の中で作っている」。人気漫画ドラゴンボールやゲームからヒントを得て、自ら命名。「ファンに尋ねて」と、虎党から新名称を募る姿勢も見せた。

本塁打の打席では、2球目のファウルでグリップ部分にヒビが入った。小さな傷だったためすぐには気づかなかったが、3球目を見逃した後にベンチに戻った。「バットが折れたことに気づいて、バットを替えて打ち直して良かったよ」。重量はそのままで黒から赤のバットに持ち替え、2球後に仕留めた。手元のわずかな違和感を覚えたことで、生まれた1発だった。

2日の練習試合再開まで43打席ノーアーチだったとは思えないほどの爆発ぶり。指揮官は内角球を本塁打したことに「ファウルだと捕手的には攻めやすいけど、あそこを本塁打にされるとバッテリーは嫌。ああいう風に打てる技術はこっちとしては頼もしい」と、捕手目線で評価。自身最高は4戦連発だという主砲は「まだオープン戦なので、1日、1日を大切にしたいです」と冷静に話した。伝説の助っ人バースの再来か。虎の4番が無観客の甲子園で覚醒した。【奥田隼人】

○…ボーアに負けじとマルテとサンズも痛烈な打球を放った。3回。先頭の3番マルテは三塁線寄りの強烈な打球で左前打。続くボーアの2ランの直後には、5番サンズが左翼線に安打を決めた。助っ人野手3人の対外試合そろい踏み安打は、3月13、14日以来3度目で、3連打は初めてだった。矢野監督も「(外国人選手の)枠があるからさあ、いい悩みになっている」と、激しいバトルにうれしい悲鳴を上げていた。

○…矢野監督(かめはめ波ポーズに)「様になってきたね。本人もテンション上がるし、子供たちが一緒にやるようなことになれば楽しみにしてもらえると思う。どんどんやってもらっていいんじゃないかなと思います」

◆かめはめ波 大人気マンガ「ドラゴンボール」で主人公・孫悟空が繰り出す得意技。体内の潜在エネルギーを凝縮させて一気に放出させる技で、クリリンら他のキャラも使いこなす。