開幕投手を務める阪神西勇輝投手の新兵器が完成した。

アドバイザリースタッフを務めるSSK社の新スパイクで、西勇のさまざまな要望を聞いて金型を一から作った“世界に1つ”のスパイクだ。同社の担当者は「見本になるようなピッチャー。西選手が満足するものを作ることが、メーカーとして技術的にも向上すると思っています」と説明した。

西勇はプロ11年間、ずっと同じ形のスパイクをはき続けており、今回が初のモデルチェンジとなる。現在の球界では底が樹脂ソールで出来た軽量のものが主流だが、西勇はプロ入り前から皮製の底にリベット(びょう)が付いたタイプを使用。昨春のキャンプでは樹脂ソールを試してみたが、長年染みついたグラム単位の感覚を大事にし、従来のスパイクを使うことを決めていた。

昨年12月のアドバイザリースタッフ会議で、同社の開発の方向性と西勇の意見が一致。西勇のこだわりがつまったスパイクを一から作ることが決まり、今春のキャンプでは何度もヒアリングを繰り返し完成した。従来より軽量で足への負担も少なく、投球の一連の動作がよりスムーズに行えるモデル。5日のソフトバンクとの練習試合から試合で使用し、同担当者によると西勇は「軽いし、感覚は非常にいいです」と好感触を抱いた様子。開幕前最後の登板となった12日オリックス戦では、5回6安打1失点と状態は万全。新たな武器を生かし、開幕戦白星をつかむ。