阪神タイガース親会社の阪急阪神ホールディングスの株主総会が17日、大阪市北区の梅田芸術劇場で開かれ、阪神から藤浪晋太郎投手(26)ら球界初のコロナ感染者を出したことを陳謝する場面があった。質疑応答で復活を願う株主男性が「周りがチヤホヤしすぎ」と指摘。昨秋ドラフトで5人指名した高卒ルーキーの育成も要望された。
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藤浪復活を願う株主から愛ある意見が飛び出した。質疑応答でマイクを握った中年の男性は、新型コロナウイルスに感染した藤浪について関西弁で鋭く切り込んだ。
株主男性 とある阪神の選手がやってもうたんやけど、役員のみなさん、株主のみなさんが頑張ってるなかで自制できんかったかな? ただ、藤浪君は悪くない。周りがチヤホヤさせすぎや。(独身寮の)虎風荘入れといたら、そんなことにならへん。
3月末に球界初のコロナ感染者となった藤浪ら3選手は、球団のヒアリングでその数週間前に大阪市内で行われた会食に参加していたことが判明。食事会が感染経路と確定したわけではないが、感染しやすい状況に身を置いたことで、多方面に影響を及ぼした。
世間を騒がせた話題に阪神電鉄の百北幸司常務取締役も「株主の皆様、ファンの皆様に多大なご心配をおかけしましたことを改めまして、この場を借りておわび申し上げます」と謝罪。「プロ野球人、社会人としての自覚を強く促して厳しく行動措置を講じるべきだったと思います」と、球団の対応についても頭を下げた。
藤浪は新型コロナウイルスから回復し、野球で恩返しを誓ってきたが、5月28日の1軍集合練習に遅刻。同29日から2軍降格した。さらに今月3日、ソフトバンク2軍との練習試合(鳴尾浜)では右胸の張りを訴えて負傷降板。これでもかと試練が続く右腕に男性株主も、たまらずエールだ。
株主男性 タクシーの運転手からよく聞きます。『背高いからよう目立つんや』って。ただ、何も藤浪君は悪くないんです。本当に頑張ってほしい。それだけです。
また、同株主からは「今年は高卒の子をいっぱい取った。大事に大事に育ててほしい」と昨秋ドラフトで獲得した1位の西純ら高卒新人5人の育成を強く要望された。金の卵を大事に育ててほしい。暗くなりがちな世の中だからこそ、胸のすくような藤浪の復活劇が見たい。株主の切実な願いだった。【桝井聡】
○…今年の株主総会は厳戒態勢で行われた。コロナウイルスの感染リスクを避けるため、インターネットによる議決権の行使を推奨。出席者は昨年の3150人よりも2855人少ない295人だった。入り口では検温が実施され、会場では株主も離れて座るなど感染防止策が施された。質疑応答では13人の株主から17件の質問があり、阪神球団に関するものは3件だった。



