近い将来のヤクルトのエース候補が、マウンドで輝いた。ドラフト1位ルーキー奥川恭伸投手(19)が20日、衝撃のプロデビュー。初実戦となるイースタン・リーグ西武戦(戸田)で開幕投手を務めた。昨年9月の国体以来の公式戦だったが、1回を14球で無安打、2三振の無失点。「まずはストライクが入らないと駄目だと思っていたので、打たれる打たれないは別としてしっかり自分の投げたい球を投げようと思いました」と“自分”を貫いた。

初球、あいさつ代わりの剛速球を投じた。先頭打者の西武西川に、外角高めへプロ入り後最速となる154キロ直球を投げ、空振り。カウント2-2から遊飛に打ち取った。2番綱島は直球で見逃し三振。3番高木を149キロの直球で空振り三振に仕留めた。3者凡退の完璧デビューは、直球を主体にスライダー2球、ツーシーム2球、フォークを1球。捕手松本直のサインに腕を振った。「試合独特の緊張感とかワクワク感とか、久しぶりに味わうことができて本当に楽しかったです」。降板後は何度も笑みがこぼれた。

高津監督も、ファンも待ち望むのは1軍のマウンドだ。「そのためにしっかりこのファームで自分の力をつけて、上に上がった時でも今まで通りのピッチングができるようにしたい」と意気込んだ。