広島が両軍33安打24得点という延長戦の末、今季7度目の引き分けに持ち込んだ。DeNAに序盤から最大5点差をつけられた。それでも中盤に追いつくと、その後も3点差、4点差とされながら最後まで諦めなかった。

2点差に迫った9回は2死二、三塁から菊池涼がこの日5本目の安打となる右前打で同点に追いついた。名古屋から移動して迎えた13連戦の4試合目に4時間47分の熱戦。5日は午後2時からデーゲームを控える両軍にとって疲労困憊(こんぱい)の痛み分けも、菊池涼は「あの場面は気持ちだけで打ちました。勝ちきれなかったが、明日につながる試合になったと思います」と粘り強い戦いに胸を張った。

まずは天敵DeNA井納を攻略した。試合前まで今季3戦3敗。この日も3回までは3安打無得点に抑えられていた。5点を追う4回に鈴木誠からの3連打などで2点を返し、さらに2死二、三塁からピレラと菊池涼の連続長短打で追いついた。直後の6回に菊池保が3失点するなど、広島中継ぎ陣は踏ん張れず、終盤にも失点を重ねた。それでも攻撃陣は7回から毎回得点を奪い、土壇場に再び追いついた。佐々岡監督は「最後まで粘り強くやってくれた。諦めない姿勢を見せてくれた」と控え野手1人を残しただけの総力戦で引き分けに持ち込んだ戦いを評価した。【前原淳】