巨人原辰徳監督が、カウント1ボール2ストライクからの「有言実行リレー」を駆使して、接戦に競り勝った。3点リードの7回。2死一、三塁からの3球目。大竹がボーアに特大のファウルを打たれた直後に、左腕の大江にスイッチした。

真ん中高めに入ったスライダーをファウルされ、危険を感じての交代-、ではなかった。「2ストライク、あるいは2ストライク1ボールなら大江を行かせようと。私も勇気はいりましたけど、宮本コーチと言っていた、有言実行をしたところですね」ともくろみ通りの交代劇だった。

伏線もある。左サイドスローの大江は、8月28日の中日戦でも7回2死一、三塁、カウント2-2から登板して1球で三振に打ち取った。ボーアには三塁内野安打を許して2点差に迫られたが、梅野を三振に切って最少失点に抑えた。原監督は「アウトカウント1つは取らないといけないと教育してますから」と言い「別に不思議じゃないでしょ。その風景に当てはまったというところですよ」と端的に采配を振り返った。