巨人が2年連続38回目の優勝を決めた。ヤクルト戦の延長10回を終え3-3で、巨人の黒星が消滅。その時点で阪神がDeNAとドロー、中日が広島に敗れていたため、試合中に優勝が決まった。

 

監督通算14年目の原辰徳監督(62)は、自身9度目のセ・リーグ制覇。チーム6年ぶりの連覇を果たし、京セラドーム大阪で11月21日に開幕する日本シリーズで8年ぶりの日本一を目指す。

新型コロナウイルスの感染拡大により、開幕が約3カ月遅れた異例のシーズン。開幕直前には坂本勇人内野手、大城卓三捕手の主力2人の陽性が判明した。入院生活を送り、調整が遅れたが、原監督が自在のタクトでチームをまとめ、逆境に打ち勝った。

8月6日の阪神戦(甲子園)では0-11と大量リードを許した8回1死からマウンドに内野手の増田大輝を送り込んだ。連戦が続く120試合制のシーズンで、勝ちパターンの救援陣の消耗を防いだ。賛否の声が上がったが「最善策」と言い、次の1勝を追い求めた。

9月21日の広島戦では4点リードの5回1死一、二塁でプロ初勝利目前だった高卒2年目の直江大輔投手に降板を告げた。打線は坂本、丸佳浩らの主力にも試合展開によって犠打のサインを出す「勝利至上主義」を徹底。打順を固定せず、ベテランには休養も与えながら吉川尚輝内野手、松原聖弥外野手らの若手を積極起用。育成出身の松原は9月中旬以降2番に定着し、クリーンアップにつなぐ役割を果たした。

原監督は9月11日、V9監督で、球団歴代1位の監督通算1066勝の川上哲治氏を超える1067勝目を挙げた。名実ともに歴代NO・1監督の座に到達。

編成面の責任も担う“全権監督”としてシーズン中にリーグ最多4件のトレードを成立させ、2月以降に育成から5選手を支配下登録した。外国人選手枠や1軍登録選手枠が拡大された今季の特例措置を最大限に活用。グラウンド内外でコロナ禍を戦い抜くチームを作り上げ、特別なシーズンの頂点に立った。