広島2年目の島内颯太郎投手(24)が登板61試合目でプロ初勝利を手にした。1点ビハインドの7回1死二、三塁で登板。最速153キロの直球を軸に、阿部を三ゴロ、A・マルティネスを右飛に仕留め、火消しに成功した。直後の8回に攻撃陣が一挙7得点の猛攻で逆転。「去年はなかなか勝つことができなかったので、やっと勝つことができてうれしいです」と待望の白星を喜んだ。ウイニングボールについては「両親にあげたいと思います」と語った。

1年目の昨季は中継ぎとして25試合に登板したが、プロ初勝利には届かなかった。今季は3月に育成強化を目的として新設された投球動作解析班の「2・5軍」でレベルアップに励んだ。データを元にフォームや変化球のリリースポイントなどを微調整。また可動域を広げる運動を多く取り入れるなどして、鍛錬を積んできた。7月に1軍に昇格し、10月5日に2軍降格となるも、16日に再び1軍に返り咲き、悲願の1勝目をもぎ取った。

佐々岡監督は1死二、三塁からの島内への継投について「1点もやれない場面で、(島内の)ボールの力で起用した」と説明。見事にゼロ封で切り抜け、チームに流れを呼び込んだ。2死からのA・マルティネスの右前への打球は、右翼の鈴木誠の好守にも助けられただけに、右腕は「打球見た瞬間は落ちると思ったので、本当に誠也さんには後で感謝をしたいと思います」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

今季はビハインドの場面から、一時は勝ちパターンで登板するなど、多くの場面で経験を積んできた。残りのシーズンへ向け「どんな場面で投げるかわかりませんが、任されたところで、しっかり投げたいと思います」と力を込めた。2年目のホープが飛躍を続けていく。【古財稜明】

▽広島会沢(1点を追う8回無死満塁で3点適時二塁打) 絶対三振だけはダメだという気持ちで入った。投手陣が頑張ってくれてますから、なんとか勝ちをつけたかった。

▽広島佐々岡監督(8回の打線に) みんながつないだ中で、よく打ってくれた。(初勝利の島内は)よく抑えてくれた。1点もやれない場面で、ボールの力で起用した。