主力打者相手に、才能の片りんを見せた。日本ハムのドラフト1位伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)が9日、沖縄・名護キャンプで初めてフリー打撃に登板した。球種を宣告しての投球ながら、大田泰示外野手(30)、西川遥輝外野手(28)を相手に44球中安打性の当たりは3本。直球で空振りも奪った。13日紅白戦(名護)で、いよいよ実戦デビューする。

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主力打者のバットが空を切った。伊藤が打撃投手として大田、西川と“対戦”。「緊張しました。大田さんも西川さんもストライクゾーンにしっかり来た時しかバットを出さない。そういう部分でレベルの違いを感じた」と振り返ったが、球種を宣告して投じる中で、44球中安打性の打球は大田の直球3本のみ。西川からは4つの空振りを奪い「初の対打者という中では合格点かな」と手応えを口にした。

全体の約7割以上を占めた直球、さらに変化球にも自信を深めた。「ストレートはもちろんいい感じで指にかかっているなと思いましたけど、カットボールとツーシームがよかったのかな」。6球を投じたカットボールは、とらえられた打球が1本もなかった。西川は「真っすぐも変化球も器用に投げている」と評し、詰まらされファウルとなった直球を「独特の真っスラ気味の球」と表現した。

珍しい光景だった。阪神戦のため宜野座に遠征したメンバーが不在だったこともあるが、伊藤の後ろを守ったのは中田、渡辺、近藤ら、いずれもレギュラークラスの選手たち。多くの視線を一身に集めた伊藤は「打者も豪華でしたし、バックも豪華でしたし。投げながらファイターズだな、と思っていました」。堂々たる投げっぷりに近藤は「あたふたしていないですし、自分の投球に集中できている」と見ていた。

打席の真後ろから投球を見つめた栗山監督は「彼の持っているよさが出ていたし、楽しみだと思う」と話した。実戦デビューとなる13日の紅白戦(名護)へ弾みをつけた伊藤は「今日は7、8割でバランス良くというのがテーマだった。紅白戦ではバランスを崩さずに、持ち味である強い腕の振りでボールを投げられたら。まだまだ精度を上げていかないといけない」。この日の投球をステップにここから磨きをかける。【山崎純一】

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