広島遠藤淳志投手(21)が4回2安打無失点と力投した。25日、沖縄春季キャンプの紅白戦(コザしんきん)の紅組で先発。立ち上がりに精彩を欠くも、女房役の会沢翼捕手(32)の一声で息を吹き返し、その後の快投につなげた。2年連続の開幕ローテーション入りへ、1歩前進だ。

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遠藤の心がほぐれた。初回、先頭の野間に右前打を浴びると、続く菊池涼にはストレートの四球。3番松山にボールが2球続いたところで会沢がすかさずタイムを取り、マウンドにかけよった。「ゾーンで勝負して、1つ冷静になって頑張ろう」。先輩からの一声で気持ちを切り替え、松山を三飛、クロンを内角直球で空振り三振に打ちとり、悪い流れを断ち切った。

2回以降はテンポよく打者をねじ伏せた。2、3回は連続で3者凡退。4回は先頭の菊池涼に右中間を破られる二塁打を放たれるも、松山を二ゴロ、クロンを追い込んでから外角低めの直球でバットを振らせ、最後は林を直球で右飛に。4回2安打無失点で役目を終えた。右腕は「(会沢から)言葉をかけてもらって落ち着けた。本当に今日はありがたかったです」と胸をなで下ろした。

キャンプ序盤は順調に段階を踏んでいたが、16日ロッテ戦では3回1失点、20日ヤクルト戦では2回2失点と練習試合で精彩を欠いた投球が続いていた。右腕は「初回をしっかり抑えないといけないというので力が入ってしまった」と反省。会沢は「間を置くことでいい投手と悪い投手がいる。前回はピリッとしてない投球をしていたから、今日にかける思いがあっただろうし」と、切り替えにつなげた間の意図を明かした。

佐々岡監督は「アツ(会沢)がいいタイミングでマウンドにいってくれた。(遠藤は)最初からできるようにしないといけない」と指摘をしつつ、「球の力は去年の春先とは違う」と目を細めた。右腕は「何が何でもレベルアップして、1つ段階を上げた状態で開幕を迎えられるように、まずは強い気持ちを持って過ごしていきたい」と力を込めた。直球の最速は145キロを記録し、球威も上昇中だ。4年目右腕が、2年連続の開幕ローテーション入りへ突き進む。【古財稜明】

◆広島先発ローテーション争い◆

大瀬良大地 ◎

森下暢仁 ◎

九里亜蓮 ◎

遠藤淳志 △

床田寛樹 △

テイラー・スコット △

矢崎拓也 △

中村祐太 ▲

薮田和樹 ▲

高橋昂也 ▲

野村祐輔 ▲

中村恭平 ▲