福岡大が優勝を決めていた春季リーグ戦が閉幕し、九州国際大・伊藤健治監督(70)が来年3月末に退任することが9日、明らかになった。

リーグ戦の指揮は今秋が最後。春の最終戦は久留米大にサヨナラ負けし、3位で終えた。ラスト采配の今秋リーグ戦で、17年秋以来の優勝を目指す。後任は九州国際大OBで社会人ヤマハで活躍した河野拓郎ヘッドコーチ(29)で、伊藤監督は総監督として名門復活を支える。

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九州大学球界の名将が、今秋のリーグ戦を最後に勇退する。今春最後の試合で一時逆転しながらサヨナラ負け。伊藤監督は「チーム力をもっと上げる。積ませた経験を生かす秋にしたい。選手も、十分分かっている」と秋への思いを明かした。

92年就任でリーグ優勝23回。元ダイエー浜涯、元DeNA下園、広島松山らプロ11人を育てた。だが、近年は成績が低迷していた。

名門復活へ、後任は教え子の河野ヘッドコーチが務める。大学では二塁のベストナイン、本塁打王などに輝いた。卒業後はヤマハで内野手として7年間プレー。恩師の誘いで、1月から母校を指導している。正式な新体制発足は来年4月1日だが、今秋リーグ戦終了後から事実上の監督としての指導を始める。

指揮を託すにあたり、伊藤監督は「いつかは世代交代の時が来る。最初は大変で戸惑うこともあると思うが、拓郎が九州6大学野球を引っ張っていかないと」と期待。上村大希主将(4年=鹿児島城西)は「いい感じで次の河野さんにバトンタッチできるようにしたい」と覚悟を示した。強い絆の「師弟タッグ」で選手を導き、かつての勢いを取り戻す。【菊川光一】

◆伊藤健治(いとう・けんじ)1951年(昭26)4月1日、熊本県宇城市(旧豊野町)生まれ。九州学院から八幡大(現九州国際大)を経て、74年から門司鉄道管理局で捕手として10年間プレー。その後、同局コーチや監督、初代JR九州監督などを歴任。92年に九州国際大監督に就任。