楽天が、大技小技で両軍ともに2ケタ安打の打撃戦を制した。前半は辰己9号、島内13号、茂木12号とソロ3発を打ち上げた。石井GM兼監督は「うまく打線が追加点を取ってくれたんで、常にリードしてる状況で試合が続いた。助かりました」と感謝。2度追いつかれながらも突き放した。

収穫は7回の攻撃。無死一塁で辰己が転がした打球は三塁線のギリギリ内側で止まり、西武中村が見送る内野安打となって好機を拡大。続く小深田も投犠打を成功させて勝ち越しを呼んだ。前半戦、指揮官は若手の作戦実行力の低さをたびたび指摘していた。辰己は「バントは課題で五輪期間中に練習していた。死ぬ気で投前に転がそうと思いました」と成果を発揮した。

初回三重殺でスタートした嫌な流れを変えたのは、前夜も決勝打を放ったオコエだった。2回にバットの先でスライダーを捉え、2日連続の中前先制打。石井GM兼監督は「彼らが30歳くらいで一番いいところを出せるように、成長してもらえればと期待して使ったりもする。中期的に見て、チームにとって彼らの成長は不可欠です」と、20代半ばの面々に経験を自信につなげてほしいと願う。これで後半戦2連勝発進、7月からは4連勝で、首位オリックスに0・5ゲーム差に迫った。【鎌田良美】

▽楽天鈴木大(1回に走塁ミスで三重殺となるも、7回に決勝犠飛) 勝てて僕と小深田が一番ほっとしてます。

▽楽天小深田(1回に浅村の右飛で二塁へ戻りきれず三重殺) 判断ミスです。次はないようにしたい。

▽楽天オコエ(2回の中前適時打) (初回に三重殺があり)何とか先制できればと思っていました。1打席目しか結果が出ていないので、捉えきれるようにやっていきたい。

▽楽天滝中(4回2失点で6勝目付かず) 勝負どころで内角に投げきれなかったのと、2点目を取ってもらった直後に追いつかれてしまったのが反省点です。