巨人のドラフト3位ルーキー中山礼都内野手(19)が7日、9、10月の「スカパー! ファーム月間MVP賞」に輝いた。同期間内はイースタン・リーグ21試合に出場し、79打数30安打、打率3割8分の好成績をマークした。同リーグは全日程を終え、44試合に出場し、打率は3割9厘。3月に左肋骨(ろっこつ)を骨折し、約2カ月間離脱していたことを考えれば、高卒1年目として堂々たる数字を残した。

後半戦好調の要因は、5日に1軍作戦コーチに配置転換されたばかりの阿部2軍監督のアドバイスだった。きっかけは東京五輪による中断期間に1軍のエキシビションマッチに参加したこと。ソフトバンク石川やモイネロら第一線で活躍する投手との対戦経験を積んだ。「もちろんスピードが違いますし、変化球のキレも違う。1本安打は出たんですけど、まだまだ内容では、納得がいかなかった」。高いレベルの相手でも対応できるよう、試行錯誤しながら、打ち方を見直した。踏み込んだ時のトップの位置に迷っている際、阿部2軍監督に「トップをもっと引いて弓のように打てばもっと力が伝わるぞ」と助言を受け、頭の中が整理された。「振り切ってそこを意識して、思い切った打撃をしていこうと思ったのが、結果につながったと思います」と明かした。

いまだに1軍の公式戦での出場はない。いつ呼ばれても、力が発揮できるように心と体の準備をしつつ、来季以降へ「体作り」でさらなる飛躍をにらんでいる。今季は2軍でも0本塁打で終えた。「パワーの面で一から、体全体の力強さをつけていけたら」。希望に満ちた明るい未来を鮮明に見据えている。【小早川宗一郎】