神様の一振りが、ビッグイニングを呼んだ。

ヤクルトは2-3の8回、先頭浜田に代わり川端慎吾内野手(34)が打席に立った。ロッテのマウンドは3番手ゲレーロ。逃げ切りにかかり、剛腕を送り込んできた。

川端は、その初球158キロを振った。左翼方向へのファウル。2球目157キロも打ちにいった。打球は中前へ。そこから好機が広がり、この回5得点で一気に逆転。6カード連続勝ち越しと、交流戦首位タイ浮上を決めた。

昨季はプロ野球歴代2位となるシーズン代打30安打を記録。頼れる代打の神様だが、今季は試合前の時点で打率1割未満と苦しんでいる。それでも、指揮官の信頼は揺るがない。

高津監督は回の頭から切り札を使った。山田、村上、オスナの強力クリーンアップの前だ。「代打の順番とか、代走であったり。その後の守備とか、いろいろ考えて、あそこは川端でいこうと。先頭で初球からしっかりスイングしてくれて。ファウルになったけど、その後、ヒットでチャンスメーク。いいバッティングだった」と目を細めていた。