しびれる舞台を待っていた。ロッテの新外国人ロベルト・オスナ投手(27)は同点の延長11回、6番手で登板した。オリックス紅林を真っすぐで追い込むと、緩い球で三直に打ち取る。福田は剛球で押して捕邪飛に。宗にはストライクゾーンを広く使い、3球で遊ゴロに仕留めた。

「投げたかった。こういう場面でチャンスをいただいた監督、コーチ、ロッテに感謝です」と充足感をにじませる。直後のサヨナラ勝ちを呼び込み、登板2戦目で来日初勝利を挙げた。駆使したのは最速155キロの直球とチェンジアップ。2球種のみで打者3人を手玉に取った。

14球の中で工夫を凝らした。宗への決め球はモーションを変えてタイミングをずらし、打ち損じを誘った。「アメリカでは投手があまりタイミングを変えないので、すごく有効だった。日本でもやってみようかなと思って。あの1球は良かった」。日本の投手がよく使う投球術を、メジャー通算155セーブの右腕は既に身に付けていた。

ウイニングボールはサヨナラ打の高部がプレゼントしてくれた。ZOZOマリンでお立ち台に立った選手がもらえるぬいぐるみ「ヒーローマーくん」も初めてゲット。「これは僕のです。一緒に寝ます、今日は」とご満悦で抱き締めた。最近は「ワサビ以外は何でもいける」と和食開拓にいそしみ、はしでの食事にもトライ。すし店で出会ったカニのみそ汁にハマるなど日本を満喫している。

ただ“本業”は忘れていない。「僕は勝つためにここに来ている。厳しい状況でどんどん投げたい」。チームの3タテを阻止し、これぞ助っ人の役割を果たした。【鎌田良美】

◆ロベルト・オスナ 1995年2月7日、メキシコ生まれ。11年にブルージェイズと契約し、15年に20歳で初昇格。1年目から20セーブを挙げ、16年は36セーブ、17年は6月に月間最優秀救援投手、球宴にも選ばれるなど39セーブ。18年7月にアストロズへトレード移籍し、19年はセーブ王に輝いた。メジャー通算314試合に登板し14勝18敗155セーブ、防御率2.74。188センチ、104キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は9000万円。背番号42。

○…高部が1軍初のサヨナラ打を放った。延長11回2死二塁、オリックス・ワゲスパックから右前打で決めた。「回ってこいと思って待ってました。抜けたら康士朗ならかえってこられると思った」と、代走で出た和田を信頼して打撃に集中した。直近2試合は無安打だったが、この日は3安打。足でも二盗を2つ決め、両リーグぶっちぎりの25盗塁。昨季パ最多盗塁の24を、シーズン折り返し地点で抜き去った。

○…完全試合投手とノーヒッターの豪華対面が実現した。ロッテの試合前練習終わり、荷物を持った佐々木朗は、オリックスがウオーミングアップする三塁側へ。18日に無安打無得点試合を達成した山本にあいさつすると、そのまましばし談笑していた。

▽ロッテ美馬(6回に2失点。同点に追い付かれて降板)「6回の先頭に出した四球がもったいなかったに尽きます。前の回に打線が追加点を取ってくれた後だったので申し訳ないです」

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