楽天釜田佳直投手(28)は5回2死満塁で、この日もっとも自在に操れたカットボールを4球続けた。

日本ハム松本剛を外角2球で追い込み、最後は内角で三ゴロに。「ストライクもカウントも取れて一番勝負になる球だった。(炭谷)銀仁朗さんのミット目がけて腕を振れました」。スコアボードに5つのゼロを並べ、勝利投手の権利を持って降りた。

昨年6月29日以来の1軍マウンド。交代後に追いつかれ、19年4月以来の白星はおあずけとなったが、石井GM兼監督は「釜田が5回まで持ってきてくれたことが一番の勝因」と好投をたたえた。13年、14年、18年と何度も手術を経験。「18年に肩と肘を同時に手術した時、これはちょっと、いよいよかなと。肩にメスを入れるのは野球人生終わりかなと思った」。不安になるたび、ファンや家族の声に背中を押されてきた。

そしてこの日は同期が助けてくれた。3回には島内が左前に落ちそうな当たりをスライディングキャッチ。4回は岡島が右翼から好返球で失点を防いだ。「今日は本当に守りに助けられた。特にレフトとライトの同期入団の先輩たちに」。島内は決勝犠飛、岡島は適時三塁打も放った。11年ドラフト3人、それぞれの力で接戦を制した。

チームは5月以来の4連勝で本拠に戻る。同期かつ同じ石川県出身の島内は「釜田とはホームでお立ち台に一緒に立つのが目標なので、もう1回投げてほしい気持ちが強い」と言った。石井GM兼監督は「自分でチャンスをつかんだ」と次回も先発機会を与える意向。今度は仙台のファンの前で、直接復活の声を届けたい。【鎌田良美】

▽楽天岡島(攻守で同期入団の釜田を支え)「釜田が頑張っていたので頑張りました。いいプレーは出てよかったと思いますし、次もあれば勝たせてあげたいですね」

▽楽天宮森(1点リードの6回に登板し、1回無失点でプロ初ホールド)「またこういう場面を任せられるような投球を続けていければ」

◆途中交代 楽天辰己涼介外野手(25)は日本ハム19回戦(札幌ドーム)の先発メンバーに名を連ねたが、体調不良のため1回裏の守備から交代した。

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