広島ライアン・マクブルーム内野手(30)が今季の戦いを終えて5日、広島を離れた。今後、国内で休暇を過ごし、米国へ帰る予定。今季はポスト鈴木誠也を担う4番候補として広島に新加入。コロナ禍による入国制限の影響で春季キャンプに参加できず、来日は3月上旬にずれ込んだ。1軍合流も開幕4戦目と遅れたが、128試合に出場し、17本塁打、74打点、打率2割7分2厘の成績を残した。

   ◇   ◇   ◇

「Last Time!」。さっそうと手を振り、マクブルームがマツダスタジアムを去った。「自分の野球人生の中で一番楽しかった。そして素晴らしいファンの前でプレーできた1年だったと思う」。1試合平均2万7千人超の観客が詰めかけたマツダスタジアムでプレーした1年間を振り返り、明るい表情を見せた。

■「ベストな貢献はできなかった」

入団会見では40本塁打&100打点を目標に据えたが、終わってみれば17本塁打と74打点。「正直言ってベストな貢献はできなかった。チームとしてもプレーオフにも進めなかった。いいシーズンではなかった」。当初の目標は達成できなかった。チームも5位にとどまり、CSも逃した。チームを助けることはできず、うつむいた。

■「少なくとも20本塁打は打ちたい」

だが1年間の経験は大きな上積みになる。「来年もここ(広島)にいるのであれば」とした上で、「少なくとも20本塁打は打ちたい。来年はさらに20打点を増やして、すべて(の数字を)もっと残したい」。コロナ禍で入国制限のあった今春のような状況がなければ、通常通り、春季キャンプから始動できる。すでに来季までのビジョンも明快だ。「10月はオフ。スローイングは続けていくが、打撃(練習)は11月にやっていこうと思っている」。早くも2023年の開幕日となる3月31日から逆算している。

■「できれば帰ってきて、プレーしたい」

来季の去就は未定ながら残留が基本線となっている。「(契約は)自分のコントロールできるところではないが、できれば(広島に)帰ってきて、また皆さんの前でプレーしたい」。試合直前にはスタンド最前列に詰めかけたファンに手を振り、サービスする主砲。今季は対応の良さで心をつかんだ。来季はそれに加え、本領のバットでさらにファンを魅了する。【前山慎治】

【関連記事】広島カープニュース一覧