帝京長岡(新潟)の最速147キロの右腕、茨木秀俊投手(3年)は阪神から4位指名を受けた。

茨木は膝の上に両手を組み、名前を呼ばれるのを待った。野球部員68人と一緒にテレビ画面を見守る。阪神が指名した瞬間、仲間が雄たけびを上げながら祝福にきた。同校初の指名選手になったが、本人は放心したようにイスに座ったまま。「5巡目か6巡目で呼ばれればいい方だと思っていたので、うれしさで固まってしまった感じ」と笑顔で振り返った。

元日本ハムの芝草宇宙監督(53)が率いる帝京長岡から、プロ野球選手第1号になる。「先発ローテーションを任される選手になりたい。最多勝を狙う」と希望に胸を膨らませた。北海道出身だが、甲子園を目指して新潟に来た。だが今夏は同校初進出の決勝で涙。「高校3年間で甲子園に行けなかった悔しさを、甲子園で晴らす」。北海道、新潟、そして甲子園。不思議な縁に導かれ、高校と同じ縦じまで大暴れを目指す。

夏の県大会決勝で敗れた日本文理の田中晴也投手(3年)がロッテに3位指名された。リーグは分かれたが、強烈なライバル心を燃やす。「高校では負けてばかりいたので、次に戦ったら負けない。絶対勝つ」。リベンジの思いは、厳しいプロ生活を乗り切るモチベーションになる。【涌井幹雄】