ファームとアマチュア野球を重点的に取材してきた日刊スポーツ評論家の田村藤夫氏(62)が、12球団のドラフト戦略をチェックした。新人選手の実力はシーズンを通してのみ評価が可能となる。今回のチェックは新人選手の力量ではなく、あくまでも各球団の補強ポイントに沿った指名になっていたか、という視点から行った。
【セ・リーグ】
ヤクルト○
DeNA◎
阪神○
巨人◎
広島○
中日○
セ・リーグは、巨人阪神の浅野(高松商)を巡る抽選がハイライトとなったが、この勝負は長い目で見ないと判断できない。浅野は確かに素晴らしい素材だが、阪神が外れ1位で指名した森下翔太(中大)も素晴らしい素材。浅野の4学年上で、そのパワーから広い甲子園でも期待できる。岡田新監督の元ですんなり外野にはまると、一昨年の佐藤輝明のようなブレークもあり得るだろう。
育成も極力少なく、ピンポイントで補強していくヤクルトのやり方も健在だと感じた。ベテラン石川を考えると左腕がほしかったところだが、1位の即戦力右腕・吉村(東芝)は潜在力も高く、先発スタッフで計算できるのではないか。
1、2位で高校生、その後に社会人即戦力投手を指名した広島も、独自路線のドラフトという印象だ。森下が右肘に不安を抱えており、この即戦力補強がどう出るか、注目だ。
そしてDeNAは、1位松尾(大阪桐蔭)をどう考えるかだ。普通ならば、高卒捕手は何年かかけて育てていくのだが、球団では谷繁以来の高校生捕手1位指名。何かの巡り合わせを感じる。松尾は肩はよく、打撃もいい。捕手歴が短いのが気になるが、今年のロッテ松川のような例もある。ディフェンス面をしっかり鍛えれば、松川とまではいかずとも、早い段階での1軍も決して夢ではないだろう。
最後に中日の1位仲地(沖縄大)は、沖縄・読谷出身という情報に目がいく。中日は2軍キャンプを読谷で行っている。何かの情報を得ていた可能性を感じさせる。17年ドラフトで西武が石垣島出身の平良を指名した際、ロッテが石垣島でキャンプをしていたことが話題になり、今回はそれが頭をよぎった。中日は地縁を生かして仲地との縁をつなげたと思うと、どんな活躍をするか期待が持てる。(日刊スポーツ評論家)



