楽天伊藤裕季也内野手(26)が10日、仙台市内で契約更改交渉を行い、年俸900万円から50万円減の850万円でサインした。球団の担当者から「レギュラーを取れる力を持っているから来てもらった」と言葉を受けた。「うれしかった。頑張っていかないといけない」と減額にも納得の表情を浮かべた。

プロ4年目の今季は、7月に森原康平投手とのトレードでDeNAから加入した。「途中から来て、気持ちが後ろ向きになることはなく、チャンスだと思って前向きに気持ち良くできた」。移籍後は8月に3試合に出場し、8打数無安打4三振だった。「プロとして結果が残せず悔しい」と振り返った。

自らの課題を明確に把握している。「コンタクト率。高い確率で捉える能力が欠けている。競争を勝ち抜くためにも必要なこと」。速球に負けないタイミングの取り方を模索している。左足を着くタイミング、スイングの重心を確認しながら「小さく強くというのを心掛けている」と話した。

これまでは二塁、三塁、一塁を守っていたが、フェニックスリーグでは遊撃にも就いた。「このポジションという(こだわり)のはない。とにかく試合に出て、出場機会を増やすしかない」と決意を語った。

シーズン途中での移籍となったが、戸惑いはなかった。「セにいた時は『パ・リーグは真っすぐが多い』と聞いていたが、そんなに特別多くはなかった」。自主トレを合同で行っていた辰己涼介、立正大の同級生・小郷裕哉が間を取り持ってくれて、チームにもなじんだ。「最初はほとんどがしゃべったことがない人で、接し方が分からなかったけど、辰己や小郷がつなげてくれた」。友情に感謝した。

楽天生命パーク宮城で行われている秋季練習では、大声を出しながらバットを振っている。「練習中ぐらい元気を出してやろうかなと」。まるで以前から在籍していたかのように明るく振る舞っている。DeNAでは今季、1軍では13打数1安打も、2軍では打率3割、4本塁打、33打点と打っていた。持ち味の長打力を発揮し、新天地でのブレークを狙っている。【斎藤直樹】(金額は推定)

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