ロッテ安田尚憲内野手(23)にいよいよ一本立ちの時が来た。今季は規定打席未到達ながら、1200万円増の推定4200万円で契約更改。球団からの「奨吾のサポートを」と主将中村奨の右腕として望まれるなど、もう“期待の若手”の卒業時期になる。

20年、井口前監督が4番打者として起用し続けた。時には「眠れない時はありますよ。安田にどうやって練習させようかなとか考えて」と冗談交じりに話すこともあるなど、思い入れをもって開花を期待し続けてきた。

安田も時に涙を隠しながら、振り込んできた。

「5年間ずっと期待してもらって、試合にも出させてもらって。なかなか期待に応えることができずに、本当に自分自身も悔しい思いですし、情けない気持ちもたくさんしてきたんですけど、こうして信じて試合に出させてもらったのはすごく感謝しています」

アナリストらとも相談し、後半戦はライトへ引っ張ることへの方針転換を決断。長打が増え、キャリアハイの9本塁打をマーク。いよいよ開花を感じさせたからこそ、球団の高い評価にもつながっている。

10月2日夜、井口前監督の電撃辞任。試合後、日付が変わる直前までそれぞれが言葉を交わし合った。もちろん安田も。

「後半戦いい感じだったから、これをつなげられるように。忘れんなよ」

忘れない。師たちの思いも忘れない。

「感謝の形を見せるのはプレーだけだなと思うので、来季からも試合は見てくれていると思うので、いい姿を見せられるように。井口さんも鳥越さんも。育ててもらった人への感謝の気持ちをもって、来季プレーしたいと思います」

もがいてもがいて、表情もすっかり大人びた。活躍の予感に満ちている。【金子真仁】

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