ソフトバンク野村勇内野手(26)が8日、今オフ巨人に移籍した松田の背番号「5」の継承者に名乗り出た。自主トレでペイペイドームに訪れ「松田さんみたいな選手になりたい。いつかは5番をつけたい」と志願。現在の99番からの大昇進を目指す。

今季は39年の鶴岡一人以来、83年ぶりに球団新人最多タイ記録の10本塁打を放った。「鶴岡親分」に並んだ輝かしいプロ1年目だった。背景には、同じ右打者で三塁を主戦場とする松田の指南があった。

最も響いたのは安打のペース配分だった。「1試合で1本。1カード3試合で3本打つペースでいいと。1試合目に2本打てば、次の試合は打てなくていい。その考え方で開き直れて打てたし、やりやすかったし、楽になりました」。通算1831安打を放った先輩の言葉は説得力があった。

社会人のNTT西日本では負けたら終わりのトーナメントを経験した。1試合1打席で結果を出すしかなかった。「もちろんプロも1試合が大事ですが、松田さんは『そこじゃないよ』と。打てなくても次で2本打てばそれで大丈夫と言われました」。143試合を戦い抜く思考を教わった。

ほかにも「楽天生命パークは静かな球場。近くに病院があるから大応援はできない」「2アウト三塁はすごく緊張する」など、細かくアドバイスを受けてきた。年明けには宮崎で松田塾に参加する。「技術じゃない。プロでここまでやってきた松田さんの考え方を聞きたい」。身も心も、背番号もすべて引き継ぐ。【只松憲】

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