オリックスの一番星が、「斑鳩(いかるが)大使」になる。オリックスの新人8選手が10日、大阪・舞洲の選手寮「青濤館」に入寮。奈良・斑鳩町出身のドラフト1位曽谷龍平投手(22=白鴎大)は、同町にある世界遺産の法隆寺で販売されている「夢」と書かれた扇子を持参した。

法隆寺は聖徳太子によって607年(推古天皇15)に創建されたと伝えられ、世界最古の木造建築物と言われる金堂などで知られる。今年は同寺が世界遺産登録30周年を迎える節目の年。同じ年にプロ入りする巡り合わせとなり、斑鳩町役場に勤める父博一(ひろかず)さんと作った資料も持ち込んだ。「自分の生まれ育った町をアピールできるぐらいに活躍したい。(1年目の目標は)新人王です」とオリックスでは一昨年の宮城以来となる栄誉に狙いを定めた。

背番号が17に決まると、法隆寺の関係者が「(聖徳太子制定の)『十七条憲法』とご縁があるね」と喜んでくれたという。博一さんも斑鳩(現法隆寺国際)で白球を追った元高校球児。この日は入寮に付き添い「斑鳩町のメッセンジャーになれるよう頑張ってほしい」と活躍を願った。【堀まどか】

○…ドラフト2位の内藤鵬(ほう)内野手(18=日本航空石川)は、小学時代に所属していた「六田(ろくでん)ファイターズ」の伊藤弥栄(やさか)代表との2ショットを持参した。内藤が中学生だった17年の5月に大動脈瘤(りゅう)で急逝。「小さいころから『とにかく強く振れ、遠くに飛ばせ』と教わっていたので、それが今のバッティングに生きていると思います」と強打の基礎を作ってくれた。写真は「部屋の一番見えるところにおいて頑張りたい」と亡き恩師への思いを力に変える。

○…ドラフト4位の杉沢龍外野手(22=東北福祉大)は、小学時代から大ファンで09年に亡くなったプロレスラー三沢光晴さんのタオルを自室に飾る。ユーチューブで見て三沢さんの技にはまり、さらに「名言があって『お前でいいんだ、じゃなくてお前がいいんだ』って言われるようになれと。チームが困っているときに1本打てたら。そう言われるように頑張りたい」と三沢魂で奮闘する。

○…ドラフト5位の日高暖己(あつみ)投手(18=富島)は、人生初の寮生活を迎える。高校時代から投球フォームを参考にするなど、目標の投手に挙げてきた山本も暮らした青濤館での生活に「楽しみが大きいです」と胸を弾ませた。恩師の浜田登監督(55)に勧められた本「丁寧道」を持参し「ピンチの場面で落ち着いて投げられることを、この本を読んで得ることができました」と語った。

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