巨人が19日、ドラフト1位・浅野翔吾外野手(18=高松商)を春季キャンプで2軍スタートさせる方針を固めた。

高卒野手のドラ1では8年ぶりとなる浅野のポテンシャルを、焦らずじっくりと引き出す育成重視で、将来の主軸候補として育てる。チームの柱を担う坂本、岡本和もルーキーイヤーに2軍スタートで歩んだスター育成ロード。浅野も土台と地力をつくる1年目の春にする。

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2軍スタートを聞いた浅野の言葉に、何の迷いもなかった。新人合同自主トレ、最後のメニューのシャトルランを終え、上がった息を整えて胸中を表現した。「1軍に上がれなかったから落ち込むことなく、2軍でしっかり結果を残して、1軍に呼んでもらえるように準備をしたい」。悔しさというよりは冷静に、その方針を受け止めた。まずは2軍から1歩ずつ歩む。

練習の合間、コーチ会議を終えた阿部ヘッド兼バッテリーコーチに声を掛けられた。その会話から「じっくりやってくれればいいと思っていると思う」と感じ取った18歳。巨人の高卒ドラ1野手では坂本、岡本和が新人時代に、2軍キャンプスタートから地力をつけ、今の巨人の主軸を張る。そのスター育成ロードを歩むため、今は焦らない。

秘められた潜在能力で、大久保打撃チーフコーチをうならせた。初めて視察した同コーチは「バッティングのスタイルでいうと、おかわりっぽい。打ち方、間の取り方はそっくり。ただあそこまでいくのは時間がかかる」と、6度の本塁打王を誇る西武中村と重なった。その屈強な体つきには「うり坊(イノシシの子ども)みたい。強そうだね」。体の強さも才能の1つ。スポーツ医学的にも骨端線が閉じ、骨格ができあがっていることを確認した。成長障害のリスクを取り払い、練習に打ち込める環境が整った。

初めてのキャンプを見据え、浅野はいった。「しっかり2軍で結果を残して、次に1軍に上がって。またレベルが上がると思うが、そこでも結果を残せたらいいと思っています」。スターロードを駆け上がる姿を思い描いた。【栗田成芳】

◆巨人の高卒ドラ1野手 直近では14年ドラフト1位岡本和が、2軍スタートで1年目の春季キャンプを迎えた。初日のフリー打撃では、初球を豪快に空振り。大物ぶりをうかがわせた。また06年高校生ドラフト1巡目の坂本も2軍スタートでキャンプイン。シーズン前半戦はファームで実戦を重ね、07年7月12日阪神戦に代走で1軍デビュー。同9月6日中日戦で、プロ初安打をマークした。

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