V奪還へ、史上最強の助っ人が“参戦”だ。阪神の3・31開幕戦(京セラドーム大阪、DeNA戦)の始球式にランディ・バース氏(68)が登場することが22日、明らかになった。

球団史上唯一の日本一に輝いた85年、現役だった岡田彰布監督(65)らとともにチームを引っ張った助っ人が18年ぶり優勝を狙う阪神に勢いをもたらす。

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18年ぶりの“アレ”へ、史上最強の助っ人が力を貸す。先日、エキスパート表彰で野球殿堂入りが決まったばかりのバース氏が岡田阪神の船出に花を添えることが確実になった。

「今年中に日本に行き、岡田阪神の試合をぜひ見たいと思っています。会っていろいろ話をしたいと思っています」。殿堂入りした際のオンライン会見で“予言”していた通り、早々と登場する方向だ。

関係者によると「まだ正式には決まっていませんがバース氏はこのタイミングで始球式をやることを非常に喜んでいます」と、登場を心待ちにしている様子。

阪神だけでなく、日本球界で「史上最強の助っ人」と呼ばれるバース氏。来日1年目の83年から35本塁打を放ち、85年には打率3割5分、54本塁打、134打点で3冠王に輝き、阪神の最初にして現状唯一の日本一に貢献。MVPも獲得している。

特に有名なのは85年4月17日、甲子園の巨人戦での「バックスクリーン3連発」だ。先陣を切って3ランを放つと掛布、岡田にも本塁打が飛び出し、虎党を狂喜乱舞させ、日本一への大きな流れをつくった。

盟友でもある岡田氏が2度目の指揮を執ることについても強く興味を持っている様子。先日の会見でもこう話していた。

「阪神の監督に岡田さんが復帰してくれて大変喜んでいます。タイガースにはリーダーが必要です。一緒にプレーした頃とはチームカラーが全く違いますが、投手を中心に守りを固め岡田さんらしいチームづくりをし、優勝してくれると信じています。応援しています」

関係者も「このタイミングでバース氏が始球式を務めるのはいい話。流れを持ってきてくれると信じています」と話している。

◆岡田監督とバース氏 83年から88年途中まで、バース氏が阪神に在籍した全年度でチームメートだった。阪神が日本一となった85年に、3番バース、5番岡田、そして4番掛布と重量クリーンアップを形成。岡田とバースは、打率で激しい争いを展開した。終盤に岡田がトップに立った時期もあったが、最後は首位打者バース3割5分、2位岡田3割4分2厘で決着した。なお阪神の選手が打率1、2位を独占したのは、1リーグ時代を含め85年だけである。

◆ランディ・バース 1954年3月13日生まれ、米国オクラホマ州出身。ロートン高から米球界を経て、83年阪神入団。3年目の85年に打率3割5分、54本塁打、134打点で3冠王に輝き、MVPを受賞。チームを初の日本一に導いた。86年も2年連続の3冠王となり、打率3割8分9厘はプロ野球シーズン最高。88年に長男の病気のためシーズン中に帰国し、そのまま退団した。NPB通算614試合、743安打、202本塁打、486打点、打率3割3分7厘。現役時代は184センチ、95キロ。右投げ左打ち。引退後はオクラホマ州議会の上院議員へと転身した。

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