ロッテの中森俊介投手が高卒3年目でプロ初勝利を挙げた。

「やっとスタート地点に立ったなという気持ちです」。ファンの大声援を受けた初お立ち台には「マウンドよりも緊張しました」と苦笑い。1失点直後に仲間が逆転してくれた白星に「野手の方々のおかげで勝ちがついた。いつになるかは分からないですけれど、チームを助けられる、支えられる投手になりたい」と決意を新たにした。

ソフトバンクとの開幕戦で3点ビハインドの場面で初登板を果たし、2/3回無安打無失点。今月2日の同戦では、1点差に迫った直後に1回1安打無失点と好投した。この日は0-0の7回に吉井監督から指名された。先頭の日本ハム松本剛に中越え二塁打を許すと、1死一、三塁からマルティネスの中犠飛でプロ初失点。「大事な場面で使ってくださるのはうれしいこと。打たれたことは今日のうちに消化して、明日も試合があるので準備したい」と喜びに浸るつもりはない。

本拠ZOZOマリンの強風も初体験。「スライダーがすごい曲がるのでその感覚だけ。球も高くて」と課題を得たことも収穫だ。チームの方針で1年目を体力強化に充てたのは佐々木朗と同じ育成法。昨季に右肩痛で投げられなかった悔しさも糧に、ニュースターに名乗り出る。【鎌田直秀】

▽ロッテ吉井監督(中森のプロ初勝利に)「ああいうところで簡単に抑えてくれる投手になってほしいという願いがあって、行ってこいって感じだったが、良い経験になった。今日は勝てて良かった」

<中森俊介アラカルト>

◆生年月日 2002年(平14)5月29日

◆出身地 兵庫県丹波篠山市

◆経歴 福住小2年から多紀野球少年団で野球をはじめ、生徒会長も務めた篠山東中では軟式野球部に所属し、県4強。中3夏から三田ボーイズで硬式へ

◆甲子園 明石商で1年夏から出場。初戦の八戸学院光星(青森)戦に3番手登板も延長10回に1失点で敗退。2年春、夏ともに4強。3年春は出場内定もコロナ禍の影響で大会中止。同夏は交流試合として開催され、桐生第一(群馬)に9回2失点で完投勝利。オリックス来田は同級生

◆ドラフト 20年ドラフト2位でロッテに入団

◆プロ成績 1年目は出場なし。2年目は2軍で6試合に投げて1勝0敗、防御率0・90

◆好きな食べ物 黒豆

◆嫌いな食べ物 チーズ

◆趣味 カラオケ

◆サイズ 182センチ、90キロ。血液型AB

◆投打 右投げ左打ち。最速は152キロ。変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップ、フォーク。直球はわずかにスライドし、吉井監督は「非常識なまっすぐ」と称賛

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