出てこい「代打の神様」。首位ソフトバンクは15日、楽天2回戦(楽天モバイルパーク)を雨で流した。雨天中止は今季初。藤本博史監督(59)は恨めしそうに空を見上げつつ、両手にタブレッドを持ったまま報道陣の囲みに応じた。

タブレット端末に映っていたのはウエスタン・リーグ阪神戦(タマスタ筑後)のライブ中継だった。「よく見てますよ。研究してるんですよ」。代打要員での1軍昇格選手を見極めていた。「今ね、代打が本当に必要なところやから」。チームの代打成績は開幕から全10打席無安打。うち5つが三振という状況だ。指揮官は、2軍で打率3割を残す増田珠内野手(23)の昇格を示唆し「状態が良い時にこっちに上げんと。今は代打を考えているので。そう考えたら、しつこいのは増田かな」。次カードの18日西武戦(東京ドーム)から合流させる見通しだ。

増田はこの日も2軍で中前打を放つなど3打数1安打。藤本監督は「センター前に打っとったね。どういうヒット打ってるか。だから(中継を)見てるんですよ」とうなずいた。他の代打候補はアストゥディーヨをはじめ、ガルビス、正木、佐藤直らが挙がる。

前日14日の同戦は、3点を追う6回1死一、三塁で代打アストゥディーヨが併殺打に倒れた。完封負けの一因になった。理想の打者は「阪神の原口君とかね。ああいう代打がおったら頼もしいよね」。2日のDeNA戦で代打ながらチーム第1号を放った阪神原口文仁内野手(31)を挙げた。「“ここ”っていう時に迷わずいけるというかね」。

チームは8勝3敗、貯金5でパ・リーグ首位を走る。2番近藤、3番柳田、4番栗原ら強力な上位打線がいるだけに、「代打の神様」がいれば鬼に金棒だ。【只松憲】