ヤクルト並木秀尊外野手(24)が、ミスを乗り越えて、プロ初猛打賞の活躍で借りを返した。

5月25日阪神戦以来、約1カ月ぶりに1番中堅でスタメンに抜てきされると、4回先頭でチーム初安打となる左中間三塁打を放った。「ちょっと、足がもつれたけど、行けました」。その後、4番村上の適時二塁打で生還し、先制のホームを踏んだ。

6回には「自分ならセーフになれるかなと」と一塁前にセーフティーバントを成功させた。さらに8回1死一塁では遊撃左へ内野安打。ランエンドヒットの形で「サインの中で役割も、結果として自分もセーフになれた」とプロ3年目で初の猛打賞を記録した。球界きっての俊足を、いろいろな形で存分に披露。「何とか自分が塁に出ることを第一に考えて、役割を十分果たせた」と話した。

脳裏に残る、痛恨のミスを乗り越えた。5月24日の阪神戦。1点リードの9回2死、ノイジーの打球を後逸した。記録は三塁打だったが、ここからチームは逆転負け。「自分自身で負けてしまった試合があった。もう過去を変えることできない。何とか自分のできることをコツコツと、何とか食らい付いてやっていくという思いの中で、結果として3安打出たのが良かった」と振り返った。

中日先発の小笠原慎之介には強い。5月12日は三振、中前打、右前打で3打数2安打だった。昨年は5打数1安打ながら、同じバンテリンドームで三塁打を放っていた。これで通算12打数6安打で、対戦打率が5割、2三塁打となったが「自分的にそんなに得意という意識はしていない。多分、いいところに打球が行ってくれているのかなっていう風に思います」と謙虚に語った。

並木は独協大時代、大学日本代表の合宿で、1歩目を踏み出してから計測を開始する変則的な50メートル走で驚異の5秒32をマークした。この時「中学時代に陸上大会でサニブラウンに勝った男」で知られる五十幡亮汰(日本ハム)が5秒42で「サニブラウンに勝った男に勝った男」という異名を取った。通常の50メートル走では、昨年末のテレビ番組「超プロ野球ULTRA」の収録で、東京五輪代表の多田修平の6秒02に迫る6秒06を計測した。

1番に抜てきした高津監督も、3安打猛打賞は“うれしい誤算”だったと明かした。「(サイスニードの予想外の完封に次いで)これまた失礼な話なんですけど、まさか3本打つとは思っていなかった」。だが、俊足を生かした3安打の内容に、さらなる飛躍を期待した。「自分の特徴を自分で理解して、人に持っていないものを持っている。しっかりチームのために生かしてほしいなと思いますね。こちらももっとそういった指導というか、野球を教えていかなきゃいけない選手の1人かなと思います」。無限の可能性を持つスプリンターが、野球のグラウンドを駆け回る。【斎藤直樹】

◆並木秀尊(なみき・ひでたか)1999年(平11)3月23日、埼玉県生まれ。草加市立八幡小2年時で野球を始め、市川口(埼玉)では甲子園出場なし。独協大ではリーグ通算24盗塁。首都2部のベストナインを3度受賞。20年ドラフト5位でヤクルトに入団。昨季は2軍で盗塁王。170センチ、70キロ。右投げ右打ち。

▽ヤクルト村上(4回に左翼線へ先制二塁打でリーグトップタイ、10度目の勝利打点)「僕が打てば勝てると思うので、もっともっと打てるように頑張りたいなと思います」

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