西武平良海馬投手(23)は敗れはしたものの、地元沖縄で好投した。

運命的にもこの日、ロッテなどで活躍し、昨年限りで現役引退した大嶺祐太氏(35)が地元放送局で解説者デビュー。同じ石垣島出身の平良の好投を「文句のつけようがないです。全球種、勝負球にできますよね。なかなか打ち崩せないんじゃないかと思います」と手放しでほめた。

平良を小学校、中学校と2度、石垣島での野球教室で指導した。平良自身はプロ野球選手という職業を強く意識する大嶺氏に影響を受けたと話しているが、当の大嶺氏は「(平良を)はっきりとは覚えていないんです」と苦笑いする。少なくとも平良はスーパー小中学生ではなかった。

ただ、縁は野球教室だけでなかった。「実はおじいちゃんが…」。港こそ違うものの、大嶺氏の祖父と平良の祖父は島内の漁師仲間。平良の祖父が、大嶺氏の祖父を訪ねて自宅に来たこともあったという。「おじいちゃんたちの会話でカヤマ、カヤマって聞こえて、(島の後輩のソフトバンク)嘉弥真のことだとずっと思っていたんです。でもカヤマじゃなくて、カイマ(海馬)って言っていたみたいです」。そんなエピソードを、数年前に知ったという。

自身は八重山商工高での活躍で有名になった。ロッテ入りを機に、ロッテが石垣島で春季キャンプを行うようになった。プロ野球と平良少年ら島の子どもたちを強くつないだ。

そんな後輩の投球を初めてネット裏からまじまじと見つめた。「後輩とかじゃなく、沖縄の他の皆さんと同じように、すごいな~としか思わなかったです」としつつ「島の人でもやればできる、っていうことを証明していると思います」と頼もしそうに話した。

大嶺氏自身も、その活躍で石垣島に大きな影響を及ぼした。しかし「僕は同期の仲間に恵まれただけです」と謙遜。「平良君は自分の実力でここまで成長してきたということを強く感じます。本当にすごい」と称賛し、ますますの活躍を願っていた。【金子真仁】

【関連記事】西武ニュース一覧はこちら―>