オリックスの絶対エース山本由伸投手(24)が、西武打線を圧倒し、今季初完投でリーグ単独トップの8勝目を挙げた。立ち上がりから最速156キロのストレートを軸に、フォーク、カットボールなどの変化球も交え自在の投球。最後はマキノンを今季最多となる13個目の三振に切ってフィニッシュ。「先発がいつも(救援陣に)助けてもらっているので、たまには助けないと」と、蒸し暑いほっともっと神戸で、125球5安打1失点で投げ切った。中嶋監督は「本人がいくといってくれましたんでいきました」とエースの力投をたたえた。

山本は「すごいいいボールが、強いボールが多かったので、いいピッチングになったのかなと思います」と汗を拭った。

この日は夏のホーム試合初戦。そのPRのため企画した「キングオブコンビ」のポスターで、選手が2人組となってお笑いコンビに扮(ふん)している。山本は実家がそばの頓宮と「おとなりさん」のコンビ。“夏の主役”としての貫禄を見せつけ、宮城、山下で喫した連敗を止めてみせた。

勝ち星を重ねていても、球数が増えすぎたり、三振が奪えなかったりする自分の投球に、納得がいっていなかった。登板間で調整しながら「変化球はいろんな人に相談したりして、改善していた」という。おかげでフォーク、カットボールも良くなり「ストレートもよかったですし、いろいろかみ合いました」と徐々に満足できるレベルに仕上がってきた。

しっかり睡眠をとり、体を休めることで体調管理にも気を配る。首位ソフトバンクが敗れ、ゲーム差なし、勝率わずか2厘差に接近。つばぜり合いはまだまだ続きそうだが、オリックスには頼れる背番号「18」がいる。【高垣誠】

◆大爆勝 8日から始まったオリックスの夏のホーム試合での企画。「キングオブコンビ」と題したポスターでは、選手たちが2人組の漫才コンビに変身し、コンビ名やキャッチフレーズとともになりきる。岡山の実家が隣同士の頓宮と山本は「おとなりさん」。杉本と福田は背番号の99と1を足した「ワンハンドレッド」など、関係性や意味合いを重視している。

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