西の空がまだ夕焼けで真っ赤に染まる時間に、ヤクルトが大量失点した。ドラフト1位吉村貢司郎投手(25)の3カ月ぶりの復帰戦は初回の守備から乱れた。

先頭の阪神近本が放った右前打に、右翼サンタナが突っ込み後逸。単打だったはずが三塁打にした。2番中野を四球で歩かせ無死一、三塁。3番ノイジーは三ゴロに仕留めたと思われたが、捕球した村上が二塁へ悪送球し、オールセーフで近本の生還を許した。1死二、三塁で迎えた佐藤輝には2夜連続アーチとなる17号3ランを許し、初回に4点を奪われた。

ルーキーイヤーの今季は開幕ローテ入りを果たし、離脱前最後の登板となった5月24日阪神戦(神宮)まで8試合に先発し、2勝1敗。2勝はいずれも阪神戦だった。しかし右前腕を痛め、5月25日に出場選手登録を抹消。3カ月以上の間、ファーム生活を送った。

「この期間休んでいたわけではない。やってきたことをしっかりと出せれば」と復帰戦2日前、意気込んでいたが、優勝マジックが点灯する首位阪神の勢いが上回った。6回にはドラ1対決で森下に9号ソロを浴びた。6回8安打7失点で降板。久々の1軍戦、悔しさを胸にマウンドを降りた。【三須一紀】