甲子園で決めるで! 阪神が球団初となる2度目の10連勝でマジックを「1」とし、18年ぶりの「アレ」に王手をかけた。3回に佐藤輝明内野手(24)がシーズン2本目となる先制の19号満塁本塁打を放ち、これが決勝打になった。14日の巨人戦に勝てば無条件で、アレが決定。岡田彰布監督(65)が本拠地で宙に舞う舞台が整った。
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虎党の夢を乗せた白球が、右中間最前列に飛び込んだ。一塁ベースを蹴った佐藤輝は右手親指、ひとさし指、小指を立てる「アイラブユーポーズ」で喜びをかみしめた。フィリーズの大砲ハーパーらも行うパフォーマンス。メジャー好きの男は、ファンに愛を込めてダイヤモンドを1周した。
「1打席目は風に負けたので、2打席目は負けないように。完璧な当たりだったと思います」
18年ぶりの「アレ(=優勝)」を目前に引き寄せる一撃は、3回1死満塁。巨人松井から、今季2本目のグランドスラムとなる19号を決めた。2回は中堅フェンス直撃の二塁打も、今度はオーバーフェンス。先制&決勝の122メートル弾に大歓声が響く。「日に日にファンのみなさんの声援が大きくなる」と4万2621人を熱狂させた。
オフの自主トレは兵庫・淡路島で行った。そこに、少年野球「甲東ブルーサンダース」、甲陵中時代のチームメートが打撃投手として来てくれた。「うれしいっすけど、コントロール悪いんで(笑い)」。照れ笑いで注文も忘れない。地元の仲間のボールを打ち込んで始まった23年。その勝負どころで西宮生まれ西宮育ちの「宮っ子」が、地元甲子園で暴れまくった。
8回には中前打。今季出場116試合目で初猛打賞に「一番うれしい。(猛打賞ゼロは)めちゃくちゃ気にしてました」と笑顔。岡田監督も「初めて、今年!? それで喜んどったんやな、どん詰まりのヒットで」とニヤリ。さらに「姿がいいやんか。ボールを見逃す姿っていうかな。ちゃんと間ができて、ストライクに対応する形になってる」と称賛した。今季はすでに自己最多52四球。好球必打が、9月打率3割4分3厘と好調の秘訣(ひけつ)だ。
広島が敗れ優勝マジックは、ついに「1」。球団初となるシーズン2度目の10連勝で、18年ぶりの「アレ」へ王手をかけた。14日巨人戦、球団史上最速Vへ-。背番号8は「明日も勝ちます!」とお立ち台で宣言し「甲子園でなんとか決めたい」とも言った。勝てば「アレ」だ。分かりやすい。胴上げに、ビールかけ、聖地の虎党は18年分の歓喜を待っている。【中野椋】
▼阪神が10連勝でマジックを1とした。阪神の2桁連勝は今年の8月3~13日の10連勝に次いで12度目。シーズン2度の2桁連勝は球団史上初めてで、76年の巨人と阪急以来14度目のプロ野球タイ記録。この日も先発の青柳が白星を挙げ、10試合以上続けて先発勝利は05年4月19~5月4日ロッテの12試合以来で、阪神では63年9月29日~10月10日の11試合以来、60年ぶり。14日の巨人戦も勝てば、13連勝で決めた58年西鉄以来2度目の2桁連勝Vで、2リーグ制後では90年巨人の9月8日、16年広島の9月10日に次いで3番目に早いV決定日となる。
▼佐藤輝のシーズン2満塁本塁打はプロ初。阪神の選手では、大山の20年2本以来。甲子園で満塁本塁打を年間2本は、13年新井良太2本以来。左打者に限ると、81年藤田平の2本以来、42年ぶりとなった。
▼満塁本塁打の4点のみによる完封勝利は、阪神では70年7月29日ヤクルト戦以来、53年ぶり2度目。池田純一が松岡弘から放った満弾を、鈴木皖武から村山実へのリレーで守った。



