楽天島内宏明外野手(33)が、復活の1発で逆転CS進出へチームを前進させた。

同点の9回1死一塁、カウント1-1から池田の甘く入った146キロ直球を鋭くスイング。右翼席最前列へ運ぶサヨナラ2ランとなった。照れくさそうに笑いながらダイヤモンドを1周。仲間たちからの祝福の水を一身に浴びた。「打った瞬間は外野フライだと思った。風と声援でスタンドにいきました」と感謝した。

21年は打点王、昨季は最多安打を獲得しベストナインに輝いた。不動の4番として君臨していたが、今季は不振にあえいだ。7月6日に出場選手登録を抹消され、1カ月間2軍で調整。がむしゃらにボールを追う若手たちを見て、決意を新たにした。「1軍で戦いたいという気持ちを感じて、自分もやらないといけないと思って。変なプレーできないなというのは、今思っている」と力を込めた。

増した責任感。打ち続けるための試行錯誤は、メンタル面にもある。結果にかかわらず毎打席バットを変更する。「色だけですよ。気分変えていこうって」。7回、白木にグリップ部分が黒く塗られているバットで空振り三振を喫すると、劇的な一打はヘッドが黒、グリップが茶色の相棒。常に前向きに、気持ちを一新させ、打席に入る。

最大で借金13まで膨らみ、最下位に沈んだ時期もあったが、シーズン最終盤で巻き返し、2位ロッテ、ソフトバンクに1ゲーム差。島内は「ベンチの雰囲気いいですよ。田中和基とか結構ふざけてますね。負けてる感じはしないので」。10年ぶりの日本一を争う舞台に立てるよう、最後までイケイケムードで戦い抜く。【湯本勝大】

▽楽天石井監督(島内について)「僕も前半は悔しかった。島内は本人なので倍、悔しいと思う。ファームの中で調整して、今の大事な時期にいい役割を果たしている。頼もしい存在です」

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