<中日2-1阪神>◇25日◇バンテリンドーム

阪神村上頌樹投手(25)が、最優秀防御率のタイトルを確定的にした。今季ラスト登板の敵地中日戦で5回を2失点に抑えて規定投球回に到達。驚異の防御率は球団では村山実以来53年ぶりの1点台となる1・75でフィニッシュだ。昨年までプロ2年間で0勝だった右腕は18年ぶりの優勝に貢献するシンデレラストーリーに花を咲かせ、堂々の新人王の候補。投手の安定感を示すWHIPでもレジェンド村山を超え、新たな猛虎伝説を築いた。

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昨年の沖縄・宜野座での1軍春季キャンプでのことだ。村上のブルペン投球の際に打席に立った近本は「ええやん」と思ったという。

「村上の真っすぐって、きれいな真っすぐじゃない、汚いんよ。汚いんやけど、その方が打ちづらい。自分の思っている軌道と違う軌道で来るから、バットの芯から外れる。それを意識したら打つポイントも変わったり、考えることも変わる。絶対嫌やな」

村上の直球はシュート成分が少なく、意図せずカット気味に動く「真っスラ」と呼ばれる性質を持つ。「真っスラ極めた方がいいで」と近本に言われてから、背番号41は理想としていた「きれいな」スピンのかかったストレートを追い求めることをやめた。同郷の兵庫・淡路島出身の先輩が、その“異質さ”にいち早くほれ込んだ「汚い」直球で、144回1/3を投げ抜いた。【阪神担当=中野椋】