「マリーンズのピッチャー、サワムラ~」。ロッテ沢村拓一投手の先発を告げる場内アナウンスに満員のスタンドが沸いた。普段は右翼席脇のゲートから約90メートル走ってマウンドに上がるが、ベンチからの約30メートルのみ。準備を含めて、勝手は違う。整備されたきれいなマウンドに6足分測って線を引いた。ここからはいつもと一緒。第1球は151キロ直球だった。

先発登板は同じくブルペンデーだった巨人時代の20年7月25日ヤクルト戦(神宮)以来約3年ぶりだ。「予告先発が出てから、いろいろな人から『先発するんだね』と連絡をくれて、普段何も言ってこないチームの仲間も『頑張って下さい!』と言ってくるので変な緊張感の中で今日を迎え、緊張しまくって球がまったく走りませんでした」。先頭の福田に左前打で出塁を許したが、粘られながらも中川圭をスプリットで空振り三振。最後も森を二ゴロ。「でも、次につなげることが出来て良かったです」。1回1安打無失点。表情を変えぬまま、2番手の横山にリレーした、CS争いの中での役割を果たした。

今年1月末、レッドソックスから3年ぶりにロッテに復帰。「勝つためにきた。チームを鼓舞するような戦う姿勢、気持ちを持ってファンのために頑張りたい」と吉井監督らとの共闘を誓って発進した。石垣島のキャンプから早朝トレーニングを行うなど自身の姿勢を背中で示してきた。8月に「可逆性脳血管攣縮(れんしゅく)症候群」で約1カ月の離脱。復帰後の先月24日には発熱により抹消。この日が復帰戦。山あり谷ありの1年だったが、投手陣の精神的支えとしてもチームを支えた。

沢村の投球に応えるように、打線が奮起した。初回に2死一、二塁から山口の右前適時打で先制。3回にも2死から連打で一、三塁とし、再び山口が左前適時打を放って加点した。

【動画】ロッテ沢村拓一、緊張でこわばる表情…3年ぶり先発でスプリット冴えわたる

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