高卒4年目で3度目のCSに挑むオリックス紅林弘太郎内野手(21)が自身CS史上最高の働き。決勝打を含む2安打3打点で逆転勝ちに大きく貢献した。

大歓声が2度、紅林に降り注いだ。まずは3点ビハインドの4回。2死一、二塁から打席に入ると、フルカウントから右中間へはじき返した。「とにかく何とかしたい気持ちだけで打ちました」と2者を生還させる一打で嫌なムードを吹き飛ばした。

さらに6回。同点に追いついてなおも無死一、三塁で打席が回ると再び追い込まれた。それでもスライダーをしぶとく右前へ運び、「食らいついていった。うまく粘って打ててよかった」とガッツポーズ。勝ち越しの右前打に再び球場が沸いた。

いずれも追い込まれてから右方向へと運んだ。「逆方向にライナーが飛んでいるのはいいこと。本当は浅いカウントの甘い球をしとめたいが、ポイントに呼び込める」と不利な状況を前向きに捉えて好結果を生み出している。

初回にエース山本が3失点。紅林も「正直先制されるのは予想していなかった」とまさかの展開だった。お立ち台では「珍しく由伸さんがああいいう感じだったんで…」と笑いを誘いつつ、「いつも助けられている分、僕たちが助けないと」とバットで救った。

過去2年はいずれも苦しんだCS。21年は3試合にスタメン出場も9打席ノーヒットで4三振。昨年も9打数2安打と通算2安打で打率は1割1分1厘と勢いに乗るチームとは対照的に不調だった。だが今年は初戦から反撃の2点打に加えて、決勝打と2安打3打点。ひと味違う姿で存在感を見せた。今季初めての3打点はCSファイナルの初戦と大事な一戦で飛び出し、「日本シリーズに導けるようにこのまま打っていきたい」。背番号24が主役の座を狙う。【林亮佑】