4年契約の最終年へ、粉骨砕身の思いで臨む。楽天島内宏明外野手(33)が1日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の1億2000万円(金額は推定)でサインした。

プロ12年目の今季は、104試合に出場し、打率2割3分6厘、7本塁打、38打点。21年は打点王、昨季は最多安打のタイトルを獲得したが、今季はタイトル争いに絡めず。「タイトル争いをもう1回できるように」と決意、来季の復活を期す。

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「本当に、ファンの人にはふがいない数字、しょぼい、しょうもない年だった」。島内がそう振り返ったように、昨季は161安打で球団初の最多安打のタイトルを獲得したが、今季は76安打。打率も昨季の2割9分8厘から大きく落とし、自身の成績に悔しさをにじませた。

島内は現在33歳。自分でもいい年齢だと思い、過ごした1年だったが、2軍から1軍昇格した後の西武戦で転機が訪れた。1年目の12年から5年間、楽天でともにプレーした西武の松井稼頭央監督(48)にあいさつした際に年齢を聞かれ、「『33歳です』と言ったら『まだまだ行けるな、ひと花、ふた花咲かせなあかんで』と言われた。その言葉がなかったら、今もこういう気持ちでやれているか分からない」と島内。「ありがたいですね。心にグサッとくるもののある方」。その言葉に目の色が変わった。今オフは今季感じた「打球が力強くない」部分を改善すべく、約3年ぶりにウエートトレーニングに励んでいる。「何とかタイトル争いをもう1回できるように」と花を咲かせる準備に勤しんでいる。

「何年後か分からないですが、野球が終わったときに『この年があって良かった』と言えるような年になれば」。来年2月で34歳を迎えるがまだまだ…。苦しかった1年を乗り越えて来季へ。「2年目、おんぶに抱っこという感じで優勝させていただいた。また、違う景色を見たいなという気持ち、こういう立場で優勝したいという気持ちはすごく強い」。チームをけん引する立場として、13年以来の日本一の景色を見に行く。【濱本神威】

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