和田塾で覚醒だ! ソフトバンク・リチャード内野手(24)が3日、年明けから先輩・和田毅投手(42)らの長崎自主トレでスタートすると明かした。「ロマン砲」と呼ばれながら今年は1軍で本塁打は0本。ウエスタン・リーグでは4年連続本塁打王に輝いた期待の大砲候補が、ハードで有名な和田自主トレ入門で7年目シーズンの爆発を誓った。

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笑顔はない。リチャードは自らを律するように言った。「自分の何かを変えないと。本当に自分を変えないといけないと思って、和田さんにお願いしました」。最も苦手とするランニングメニューや坂道ダッシュ…。超ハードメニューで知られる和田の合同自主トレ。過酷な環境に身を置くことで、リチャードは7年目の覚醒を誓った。秋季キャンプ後、参加を直訴した。投手陣ばかり総勢20人近い和田塾で、野手はリチャードただ1人だ。「球場で打撃もしていい、と言われましたし。しっかり練習について行きます」。さらに表情を引き締めて言った。

今年までの自主トレは地元沖縄で西武山川らと励んだ。ただ、山川は西武からFA宣言し、ホークス入りが確実。「独り立ち」のため、あえて厳しい環境に身を置くことで、さらなる成長につなげたいという思いがある。2日に渡米し、現在はシアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」で動作解析など打撃力向上へ注力中だ。「とにかく僕は打つしかない。来年は打ちまくる、という気持ちです」。守備位置争いも、あえて激戦区となる「サード」に照準を定め「三塁一本でやります」と力を込めた。

今季はウエスタン・リーグで19本塁打、56打点。4年連続本塁打王&2年連続打点王の「2冠」に輝いた。ファームでは「無双」を誇るスラッガーも、1軍では22試合に出場し、打率1割1分5厘、0本塁打に終わった。「もう何年もずっと期待しているし、彼は何と言っても和製大砲なんだから」。覚醒を待ち望む王球団会長も秋季キャンプ中に福岡・筑後市のファーム施設で調整しているリチャードの練習視察にわざわざ足を運んだほどだ。小久保監督からは「(来年が)ラストのつもりでやったほうがいい」と、期待の裏返しともいえる強烈なゲキも飛ばされた。

「やりますよ」。背水の覚悟でリチャードが7年目のシーズンに挑む。【佐竹英治】